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軽犯罪法、その2

軽犯罪法
*軽い類型の犯罪を規定した法律。
*最低限の道徳規律を定め、違反した場合には、刑罰の対象とした。
*軽犯罪法に違反した者に対する現行犯逮捕は、刑事訴訟法第217条(軽微事件と現行犯逮捕)の規定によって制限を受ける。

(罪)
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
・「左の各号」とありますが、これは条文が縦書きで表記されているためですので次の各号と同じであります。
・1号から34号までありますが、雑踏警備業務2級検定では、1号、2号、3号、8号、9号、13号、32号が出題範囲になっております。
・・拘留=刑法、第十六条  拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。
・・科料=刑法、第十七条  科料は、千円以上一万円未満とする。

○第8号 風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかつた者。

・変事非協力の罪:火災等の場合に公務員、警察官、消防吏員の指示や協力要請に従わなかった場合に罰する。あくまでも、災害や被害の拡大を防止するために必要な協力を求められた場合に限られる。
・「変事」は、地震や津波、火事、交通事故や犯罪発生時など、日常とは違った状況が発生した場合。
警察官職務執行法第4条「避難等の措置」参照。

○第9号 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者。

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・火気濫用の罪:火災発生につながる危険な行為を未然に防止することを目的とする。
・「相当の注意をしないで」=通常であれば、事前に当然払われるべき注意をしないでということ。
・火災を発生させた場合には、失火罪(刑法第116条)に問われることもある。

○第13号 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者。

・行列割り込み等の罪:行列の秩序の維持を保護法益とするものであり、威勢を示して一定の公衆の行列に対し、割り込みやこれを乱す行為を禁止したもの。
・「威勢を示して」=人の意思を制圧し牽制(けんせい)する行為のうち、暴行、脅迫の程度に至らないもの。
・行列に並ぶ人に対して暴言を吐いてすごんだり、威圧的な態度で割り込みをする行為です。

○第32号 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者。

・田畑等侵入の罪:住居、邸宅等と違って自由に出入りできる田畑といえども、平穏を害する罪として罰することとした。
・第1号「潜伏の罪」と同様に住居侵入罪の補充的な意味を有する。
・「入ることを禁じた場所」=占有者,管理者が他人の立入りを禁止する意思を表明した場所であり、人園時間を指定して入場を制限している公園や庭園等での、入園時間外の時間帯も該当する。

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