◉雑踏警備業務の基本(まとめ)
○群集を対象とする警備業務の基本
・雑踏警備業務の目的は、群集が雑踏する場所における負傷等の事故の発生を警戒、防止し、その場所に集合する不特定多数の人々の安全と秩序を維持することである。
・雑踏警備業務の基本は、不特定多数の群集に対して無用の不快感を与えないようにし、安心して行動できるための万全な警備体制を確立することである。
・雑踏警備業務は、群集の協力が不可欠である。そのためには「警備業務は礼節」と言われるように、群集に対して謙虚な態度、正しい言葉遣いで接しなければならない。
・安全と秩序を乱す行為を発見した場合、威圧的な態度や強制的な手段を取れば、相手を反抗的な態度にさせ、結果としては協力が得られなくなる。
・雑踏警備員が整然とした行動と規律正しい動作を行うことにより、群集の理解と協力が得られるようになる。
○雑踏警備業務の実施要領
・主催者、警察、消防等と必要な連絡第携を図り、施設、資機材を活用し、群集に対する呼びかけや案内を徹底すること。
・部隊活動を整然と行い、群集の行動を秩序付けることが重要。
○群集の誘導時に留意すべき事項
①、群集の規制・誘導は定められた方針に基づいて行い、やむを得ない場合以外、変更しない。
②、群集の一部が規制方針にそぐわない行動を行なった場合、放任することなく、規制に従うよう協力を求める。
③、入場待ちをさせる場合は、列の組み方、列の位置、進行の順序等について十分な広報活動を行い、焦燥感を起こさせないようにする。
④、人の流れが停滞する原因となるような施設又は状況は、除去しておく。群集が流動している場合は、停滞しないように努める。
⑤、群集の流れが特定の場所において飽和状態に達した場合、先頭の群集を速やかに流すように努め、後続の群集を分散(迂回)又は一時的な流入制限等の措置をとり、飽和状態の解消を図る。
⑥、雑踏が危険な状態になったときは、群集を早急に避難させる措置をとり、事故防止に少しの不備もないように十分に注意する。
⑦、危険が予想される場所、出入口、階段、曲がり角、渡り廊下等では、押し合い、先争い、立ち止まりその他秩序を乱す行為を絶対にさせない。
⑧、規制用資機材を使用する際、場合によっては事故発生を助長することもあるので、その使用方法や設置場所についは慎重に検討する。
⑨、常に雑踏の状態や群集の変化を的確に把握し、臨機応変の措置をとる。
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