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現場保存の意義及び実施上の留意点(雑踏2級)

雑踏警備業務2級
現場保存の意義及び実施上の留意点
◎現場保存の意義 
業務の特殊性から犯罪や事故の現場を発見したり、第三者から犯罪や事故についての連絡を受けたりする。
速やかに警備隊本部に即報し、現場をあるがままの状態で保存する。

警備員の行う現場保存とは
犯罪や事故の現場をそのままの状態で保存し、証拠や遺留品の散逸(さんいつ)とそれらの変質や滅失(めっしつ)を防止して、警察官の採証活動に協力する活動。

時間の経過によって資料が破壊されたり、滅失する。
現場の関係者によって、不用意に現場が変更又は破壊されるおそれもある。

二次的な事故の発生に注意することも大切である。

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◎現場保存の要領と留意事項
① 現場保存の範囲 
犯罪又は事故の発生した地点を中心とし、その周辺のできる限り広い範囲について、保存に必要な措置を講ずる。 

② 保存範囲の確保 
A 現場を中心に、できる限り広い範囲を保存範囲。 
B ロープ等によって立入制限線を設定し、保存範囲を明確にする。 
C できる限り通行止めにし、その通行を制限する。 
D 現場保存の範囲からすべての人を立ち退かせる。 
E 所有者等、管理権を持つ者でも、警察官臨場前の立人りは、控えてもらう。 
F 立入制限の前後、現場で行動した者の氏名や時間、行動範囲等を記録しておく。

③ 現場の状況、証拠品等に対する留意点
A 現場のすべての物に手を触れない。 
B 現場の物の位置を変更しない。 
C 現場を動き回らない。 
D 現場に煙草の吸殻や紙くずなどを捨てたり、たんやつばを吐いたりしない。 
E 屋外のこん跡が、雨で流失のおそれがあるときは、バケツなどで覆って変形させない。
 
④ 発見者、目撃者の確保 
A 発見者や目撃者は、できる限り現場から立ち去らないように要請する。
B とどまることができないときは、後日の協力を依頼し、連絡先を聞いておく。 
C 現場付近の人たちの会話や動静に注意し、協力を得られると思われる者の情報を記録しておく。
 ⑤ 加害者等の確保 
事故の当事者である加害者及び被害者に対しては、軽いけが程度であれば、警察官臨場まで現場にとどめる。
 
⑥ 重傷者の措置 
A 救急車を手配し、応急手当てを行う。 
B 意識がある場合は、負傷の理由、状況を聞き出す。 
C 負傷者の倒れている位置と方向、状態を記録。
D 負傷者の衣服、着衣の乱れ具合、出血、血こんの状態を記録。 
E 付近に凶器がある場合には、その位置と状態を記録。
 
⑦ 現場における慎重な言動 
A やじ馬が集まり騒然とした雰囲気になることがあるが冷静な行動を保ち、周囲に巻き込まれないようにする。
B 自らが知り得た犯罪にかかわる事項は、捜査機関以外の第三者に漏らさない。 

⑧ メモの励行
・警備員は常に筆記用具を携行し、現場で知り得た情報をメモし、警察官等への連絡・報告に役立てる。

☆警備員としては事件、事故、犯罪現場に遭遇した場合にはそれなりの行動を求められますが、あくまでも警備員は一般私人となんら変わりはないことを念頭に置き、特別な権限があるような行動を取らないことを心がけなけらばなりません、法第15条を忘れずに。
(警備業務実施の基本原則)
第十五条  警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。

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