警備員指導教育責任者2号業務
◎避難誘導活動の実施要領
○平素における点検準備
*警備業務対象施設等の責任者と常に緊密な連絡をとり災害等に対する避難対策・準備の是正・整備に努める。そのチェックポイントとして、下記のようなことが考えられる。
① 非常ロ、避難の道順等は周知徹底されているか。
ア、非常ロや避難通路が数箇所あるときは、予想される災害等の種別、規模、風向等によって、どの場所を利用すべきかなどについて研究し、対策を講じておく。
イ、非常ロ、避難器具等については、取扱方法等を訓練するとともに、常に定期的な点検を行う。
ウ、避難先の確保と、そこに至る経路及び誘導方法等について準備しておく。
② 火災報知機、消火器、警察・消防機関に対する非常通報装置等の設置場所が確認され、正しく機能しているか。また、その操作訓練が徹底しているか。
③ 停電した場合に対する応急的対策はできているか。
④ 重要書類、貴重な金品等非常の際に持ち出す必要のある物の保管場所の確認及びその持出し訓練をしておく。
⑤ 隣接施設、場所等の管理責任者等との間において、災害等が発生した場合に、消火活動や避難誘導要領等について十分に協議が行われているか、行われているとすれば、どのような協定事項があるかなどについて確認しておく。
○避難誘導対策の確立
・その施設又は場所等の規模、用途、施設の状況及び収容人員を前提に実態即した対策が必要。
・平素から予測され得る災害等を想定して、複数の避難路の決定、避難時の情報伝達手段の確保、避難誘導業務に従事する警備員の配置等の適切な対策を確立。
(1) 災害時の異常心理状態
・地震、火災等の突発的異常事態の発生時に、これらの恐怖から逃れようとする混乱した無秩序によって群集が引き起こす異常心理状態を「パニック」と呼ぶ。
・災害等の発生時には、パニックを起させないように関係者は群衆心理を理解し、分析し実態に即した対策を立て群集を安全に誘導できるよう検討し体制を確立する。
(2) 群集心理の特徴と群集のリーダーとしての警備員(群集を心理的な面からみた特徴)
① 一人ひとりに共通した関心があって集まる。
② 集団は偶然的、一時的に発生する。
③ 集団の一人ひとりには任務分担のない集まりである。
④ 感情的な雰囲気に支配されやすい。
⑤ 暗示にかかりやすい集団である。
⑥ 一人ひとりに接近性がある。
・災害時→状況の変化が動因→集団の心理が相乗的に働き合う→パニックを引き起こす
・停電、落下物、煙等→避難路がたたれ避難方向や方法分からない→群集は不安、大声でわめく→非合理的行動→混乱状態になる
*警備員は、冷静に状況を判断して避難口の決定、避難方法を的確に指示することが最も重要。
(3) 緊急時の避難誘導措置
① 発災場所からの避難
・災害の規模、条件によって比較的余裕のあるときは避難者を誘導しやすい。停電、落下物等によって避難方向が分からなくなった場合、とっさの行動をとることは困難になり、平静を失い、生命保存本能により恐怖の場所からできるだけとうざかろうとする、このような状態では避難誘導は非常に困難になる。
② 通い慣れた出入口への避難
・あまり知らない避難経路よりも一番よく知っている経路や、明るい方向へ向かう傾向がある。その避難通路が障害物によって遮断されていると、 冷静な判断ができなくなるため、複数の避難口を確認しておくことが大切である。
③ 混乱の防止
・混乱を引き起こす原因となる群集内の動きを常に監視し、混乱を未然に防止する。
次の項目は、避難誘導の方法3(指教責基本)
その他の、指教責2号項目一覧
コメント