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雑踏警備業務3「雑踏形態、群集の圧力」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎雑踏警備業務の形態

*雑踏する人又は車両の著しく混雑する状態の程度、いわゆる雑踏密度やその中にあって、群集の心理が異常となる要因が事故の発生率を高める。

⑴ 流動状態にある雑踏形態
・神社、仏閣の縁日や初詣など参道の両側に露店が並ぶ中を参集者(雑踏)が行き交う状態。
・流動状態にある雑踏は、目的地に近づくほど、群集密度が高くなる傾向がある。
・整理の基本は、雑踏の急激な移動の阻止対策を講じ、流動の円滑化を図ること。

⑵ 停止状態にある雑踏形態
・コンサート、公営竸技、花火大会、パレードやマラソンを見るために集まっている状態。
・収容限度を超えないこと、群集を区域ごとに分断し、一定の場所に集中させないこと。

⑶ 流動、停止が交互に繰り返される雑踏形態
・美術館や博物館、商品の展示会場、博覧会等に見られるように、展示品等を見るために停止し、見終ると次のプースに移動するといった、流動と停止が繰り返される雑踏。
・停止状態(滞留)の雑踏によって、流動する雑踏の円滑な通行が阻害されないような対策を講じる、入場制限による混雑の緩和対策。

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☆群集の圧力(威力)

⑴ 流動状態にある群集
・人が移動すれば必すエネルギーが発生する。
・群集が移動しようとするときに発生するエネルギーは、想像を超えたものになることもある。
・密度の高い群集が移動しようとする場合や、待ち行列等、停止させられた状態が長くなるほど、その群集は「待っこと待たされること」にいらだちの心理が働き、強大な力を発揮する。

・上の図の動線が右側のように直角に近い状態に曲折している場合に、Bの幅がAの幅より狭くなるほど、危険が増大する。
・さらに、B付近が階段や下り坂であればさらに危険は増大する。
・一般的に、群集の流れは概ね密度8人/㎡までは曲がり角においても横列を乱さす回転して流れるが、この密度を超えると平素使用されていない「すみ」の部分に滞留が生まれる。
・雑踏事故の原因はエネルキーの過度の集中である。

○群集を整理する時に考慮すべき事項
・群集の力がどの方向に一番強く波及するのか。
・一方向にのみ集中しないようにするためにはどのようにするべきか。
・群集を停滞させないようにするためにはどのようにするべきか。

⑵ 停止状態にある群集
○停止状態にある群集に対する雑踏備の重点
・ー箇所に集中することによる事故
・施設の収容能力以上に人を入れることによる事故
・移動に移る際の人相互の圧力による事故

⑶ 停止状態から急激に駆け出す群集
①停止状態または、ゆっくり進行する流動状態で、群集は緊急事態を聞知したときや、自己の興味あるものを見たとき、避難のため、あるいは興味あるものに近づくため急に駆け出す。
②他の者より早くという意識が強いため、その速度は大きなものとなり、非常に危険な状態を生み出す。
○これらを防止するためには、群集に絶えず広報を実施するなど、群集の心理状態を落ち着かせるよう務める。

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