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雑踏警備業務4「態様別警備形態の特徴」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎行事等の態様別警備形態の特徴

⑴ 博覧会会場の警備形態の特徴
*あらゆる事象から観客の安全を確保する、会場における秩序を維持し犯罪の予防並びに博覧会に関する諸規則の違反に対する予防警戒を行う。
*多様な警備形態についての知識や経験が要求される。
・会場内外で予想される雑踏事故の防止。
・博覧会に対する妨害や加害行為の予防。
・窃盗、放火、脅迫電話等の刑事犯罪の予防。
・自然災害、都市型災害(火災・爆発等)からの安全の確保。
・迷子等の保護
・遺失物の処置
☆混雑に乗じた万引きやスリの警戒を行う業務は、「人の雑踏の整理」に係る業務ではないことから、雑踏警備業務には該当しない。

○警備業務の内容と会場の状況に応じた部隊編成を行う。
・会場内の指定された区域に警備活動を行う方面警備隊を必要数設置する。
・警備隊本部直轄の遊撃隊を設置して警備強化を図る。
・その他必要に応じて儀礼隊・警護隊等を組織する。

○警備体制
・場内警備と場外警備
・事前警備
・開催期間中警備(開場時間中・夜間等の閉場時)
・事後警備

⑵ コンサート会場の警備形態の特徴
*客層によって警備体制も大きく変わってくる。
*屋外でのコンサートにおいては、主催者・自治体との綿密な事前の協議が重要。

○屋内会場・屋外会場、専用会場と仮設会場に分類される。
・客層により警備体制も大きく変わってくることを考慮した警備計画の作成が必要。
・コンサートは昼の部と夜の部の2回行われることも多く、入れ替え時の観客の円滑な誘導は、接客が重要になる。

○屋内コンサート専用会場
・会場施設本来の基本動線に基づいて警備計画を作成する。

○屋内仮設コンサート会場
・体育館やドーム型競技場等としての機能を持った会場にステージ等を設置するため使用できる区域が限定される場合がある。

○屋外コンサート専用会場
・公園等にステージや観客席が常設。観客と一般通行人を分離する柵等がない場合が多い。
・雨天での開催は群集の危険要素を増大させるため、増員計画等も重要。

○屋外コンサートの仮設会場
・広場にステージや観客席をコンサート用に仮設するため観客席と通路が明確に認識できないこともあるので、資機材設置や警備員配置は多めの準備が必要。

○屋外で数日間継続して行われるような場合
・トイレ、ゴミ箱、水道、飲料水等の設置問題、周辺住民の騒音公害・交通問題等。

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⑶ 公営競技場の警備形態の特徴
・熱狂的でギャンプルを主目的とするファンと、一般的娯楽客でレクリエーション気分で来場するファンとに大別され、警備員は来場者を観察しながら適切な接客対応が必要。

*競輪、競馬、競艇等の公営競技場
・会場内の雑踏警備業務
・会場入口や駐車場出入口での人と車両の誘導

*事前に調べておく必要があるもの。
・関係者以外の立入りを禁止する地域
・付近の駐車場の位置と収容能力
・群集による暴動等が起きた際の従業員等の避難経路等

*近隣住民の迷惑防止のために違法駐車排除を行う場合は周辺に関する情報も必要である。
・周辺の道路状況
・住宅地の位置
・学校等の位置や児童
・子供が通行する道路
・観客が使用する交通機関の駅とその搬送能力等

*自主警備能力の向上
・警備員をできるだけ常勤職員に切り替えていく。
・警備員の平均年令の引下げを図り、気力体力の充実した人材を採用する。
・警備員の警備技術の教養を推進し、その向上を図る。

⑷ その他の競技場の警備形態の特徴
*その他の競技場とは
・野球場、サッカー場、ラグビー場、陸上競技場等の施設のことをいう。
・スポーツ競技だけでなく、イベント会場(コンサート、催し物等)として使用する場合もある。
・競技場の種類、開催する内容によって参集する観客層が違う。
・来場者を観察しながら適切な接客対応が必要となる。

*競技やイベント等によって警備体制も大きく変わってくることを考慮した警備計画の作成。
・(例)プロ野球の試合
・試合観戦契約約款や特別応援許可規程などが制定、これらに沿った警備計画が必要。
・入場拒否、退場措置、持込禁止物品の発見排除、競技場内の案内、監視、警告、実力措置。
・競技場出入口や駐車場出入口等での人と車両の誘導、周辺道路上の違法駐車排除等。

⑸ 各種バレード、マラソンの警備形態の特徴
・警備員は沿道の観客側に正対し、コース側に背を向けて位置するようにし、いわゆる背面警備に徹する必要がある。

*イベントの特色
・公道を利用する。
・競技者や演技者が移動する。
・沿道において、交通規制中の車両の迂回誘導と観戦中の観客の規制・誘導に分けられる。
・外国人の観客も多く、通常と異なる面も理解したうえでの事前教育必要。
・文化習慣の違いも指導項目として重要である。
・子供の頭に手を触れることがタブーや左手は不浄と考えるなど。

*計画段階では、公道のコースと交通規制の現地調査を行い、主催者と事前に協議をしておくことが重要。
・冾道の状況
・周辺の工事の実施状況
・コース等の変更事項
・目安地点や給水地点
・救護所の場所
・勾配のある箇所
・高速道路の出人口の規制状況
・設置看板の脱落等の点検
・道路上の清掃状況

⑹ 花火大会会場の警備形態の特徴
・花火打上げ直前と終了の直後が最も危険な時間帯である。
・短時間のイベントであるため、限られた時間帯に多数の観客が一斉に移動する。
・花火大会は季節的なイベントで夕方から夜間にかけて実施される。
・観客の中には高齢者や子供、外国人など、客層が多岐にわたる。

*花火の打上げが終了する直前・直後が最も危険な時間帯である。
・飲酒者も多い、荒れる気配がある集団に対しては、早期発見と監視の継続が必要。
・荒れた場合は、警備隊本部を通じて警察の対応を要請、警備員のみでの対応は控える。
・群集の歩行障害となる場所での出店があれば警備隊本部へ連絡し、指示を受けて対処する。

⑺ 神社・仏閣の初詣の警備形態の特徴
・毎年同じ場所、同じ時間帯で初詣が行われている、参拝者にも暗黙のルールが周知されている反面、危機感に乏しく、過密状態になってもそれほどの危険性を感じないまま事態が推移する。
・深夜の場合は足元が暗い。
・飲酒していたり、着物を着用しているなど、とっさのときに素早い動作ができない場合もある。

⑻ その他の警備形態の特徴
*ショッピングセンターの開店
・先を争って店舗内に駆け込もうとするため、転倒事故等、危険な状況が発生するおそれがある。
・営利を第一としたイベント。
・来場した車両と人の回転を速めるための警備技術が要求される。
・来店者数も瞬間的には収容可能数をはるかに上回ることもある。
・アトラクションや無料配布品等があり「お祭り気分」で老若男女が参集。

*パチンコ店の開店
・来客者は容易に整列しない傾向がある。
・早く自分の気に入った遊戯台を確保するために扉が開ききる前に店内に走り込む来場者も少なくない。
・開店直後の走り込みを防止するために物理的方法を講ずる必要がある。
・事前に入場整理券を配布し、一定の時間帯に入場できる人数を制限し一旦解散させる方法も有効である。

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