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未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル「警備業編」2

警備員指導教育責任者2号業務

「未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル、警備業編」より

第1章 未熟練労働者に対する安全衛生教育
(安全衛生担当者用)令和2年3月

第Ⅰ.未熟練労働者に対する安全衛生教育の必要性

2. 安全衛生教育で労働災害を防ぐ

(2) 安全衛生教育は繰り返し実施しましょう
安全は、ノウハウのみを知っているだけでは不十分です。
安全な行動・安全な作業が自然にできるよう にすることが重要です。

1回の安全衛生教育だけでは十分に理解し、安全な行動・安全な作業を身につけることは、特に未熟練労働者の場合、極めて難しいことです。

そのため、新任教育時の安全衛生教育の後も、繰り返し安全教育を行い、
ノウハウ(know-how)だけではなく、なぜルールを守らないといけないのか、
なぜこのような知識を身につけなければならないのかというノウホワイ(know-why)や、
もしルールを守らなければどのようなことが起きるのか、
もし知識を身につけなければ何が起こり得るのかというノウホワット(know- what)を理解させることが必要です。

新任教育、現任教育に加え、巡察時などにも安全衛生教育を計画し、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後など繰り返し安全衛生教育を実施しましょう。

(3) 安全衛生教育における注意点

安全衛生教育を受ける未熟練労働者は、仕事そのものに慣れていないこともあり難しい言葉を使わず分かりやすく、
そして一方的なものとならないよう以下の点に注意して実施しましょう。

**教え方のポイント**
1 受講者の立場に立って教える。
教育する上で一番重要なのは、受講者が内容を理解して、実践することです。
そのためにも、受講者のレベルやペースに合わせて、理解を確認しつつ進めることが大切です。

2 具体的に教える。
「きちんと」、「ていねいに」などと言ってもその「程度」はなかなか伝わりません。
「きちんと置く」のであ れば「Aの場所に3段まで積み上げる」、
「ていねいに取り扱う」のであれば「箱の底を両手で持つ」というように、具体的な言葉で説明しましょう。
状況に応じて、見本や写真などを示すことも有効です。

3 理由を教える。(know-why、know-whatを意識する)
「理由」を教えなければ、何故それをしなくてはいけないのかがわからず、受講者の記憶に残らない可能性が高くなります。
「しなければならないこと/してはいけないこと」だけでなく、
「しなければならない理由/してはいけない理由」も説明し、受講者が根拠に基づいて正しく行動できるようにしましょう。
併せて、それをしないと何が起きるかも説明することで、より明確なイメージが受講者に伝わるため一層の理解につながります。

4 順序よく教える。
簡単なことからはじめて次第に難しいことを説明する、全体に触れてから個別の内容を説明するなど、受講者が受け入れやすいように説明する順番を工夫しましょう。

5 専門機関等を活用する。
専門的な内容を、体系立てて効果的に教育するのは容易ではありません。
必要に応じて、全国警備業協会または中央労働災害防止協会等の専門機関等を活用するなどして、効率よくそして効果の高い教育を実施しましょう。

(4) 雇用形態等に配慮した安全衛生教育

ア 配慮すべきポイント(共通項目)
雇用形態等を問わず、安全衛生教育を実施する際には、次のことを配慮しましょう。
① 正社員と非正規労働者など雇用形態等が異なる労働者が一緒に働いている場合は、災害防止のためにコミュニケーションを円滑にすることがとても重要です。
② 雇用形態等が異なる労働者がさまざまな安全衛生活動(KYTなど)を、一緒に取り組むことはコミュニケーションを円滑にする効果が期待されます。
③ 点検、清掃等の付帯作業や共同作業において、作業者間の対応の食い違いや作業内容の理解の齟齬が生じないよう留意が必要です。
④ 非常時の対応は、実際の非常事態を想定した対応を体験させて、非常時に落ち着いて実行できるようにしておくことがとても重要です。

イ 外国人労働者への安全衛生教育において配慮すべきポイント
近年我が国では外国人労働者が増加する傾向にあり、外国人労働者にも同様に安全衛生教育を 実施する必要が生じつつあります。言葉や生活習慣が異なる外国人労働者への安全衛生教育を実施する際には、次のことを配慮しましょう。
① とりわけ意思疎通の不足をきっかけに労働災害が生じるおそれがある場合は、言葉や生活習慣の違いを踏まえた安全衛生対策が必要です。
② 言葉だけでは理解が難しいこともあることを踏まえ、イラストや動画画などを活用するなど視覚的にも分かりやすい安全衛生教育を心がけることが重要です。
③ 道路標識など、注意喚起のための表示・標識は、その内容を理解できるような教育を心がけましょう。

ウ 高年齢労働者への安全衛生教育において配慮すべきポイント
高年齢労働者の場合、加齢に伴う身体機能の低下が現れ、労働災害発生の要因になるおそれがあるため、高年齢労働者への安全衛生教育を実施する際には、次のことを配慮しましょう。
① 転倒防止対策など、加齢に伴う身体機能の低下の影響を踏まえた安全衛生対策が必要です。
② 新しいことへの対応が難しくなる場合が増加する傾向にあることから、繰り返し教育を実施することが重要です。

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【参考】 高年齢労働者の安全な作業のために

近年、政府では全員参加型社会である「一億総活躍社会」の実現に向けての取組が進められており、その一環で65歳以降の継続雇用延⻑や65歳までの定年延⻑を行う企業等に対する支援の実施など、高年齢労働者の増加が見込まれています。
しかし、それに伴い高年齢労働者の労働災害発生率が高くなる傾向にあります。
そのため、高年齢労働者の安全と健康を確保することの重要性が高まっています。
特に転倒などでは、高齢化による身体機能の低下による影響が大きく反映されることから、作業の特性や高年齢化の影響などを踏まえた安全対策が必要です。

高年齢労働者の課題
* 身体機能の低下
・ 筋力の低下 ・ 視力の低下 ・ 聴力の低下 ・ 俊敏性の低下
* 知識と経験による判断
・ 過去の経験を過信 ・ ルールを軽視する場合も
* 新しいものへの対応が困難
・ 集中力 ・ 記憶力の衰え ・ 従来(過去)のものへの依存
* 若年者とのコミュニケーションが不得意
・ 若い人に質問しづらい

高年齢労働者のへの対策
* 加齢による身体機能の低下を自覚させること
・ 目、反射神経、判断などの機能
* 作業環境の整備
・ 重量物の取扱い時は補助具を使用する、または複数人で作業
・ 不安定な姿勢での作業の回避
・ 階段や傾斜に手すりや滑り止めの設置、段差の撤去(バリアフリー化)・表示
・ 照明の改善、掲示物など文字の拡大
・ 警告音の改善、聴覚だけでなく視覚でも情報伝達する
・ 作業速度の調整、瞬時の判断・反応が必要な作業の回避など
* 作業環境による配慮
・ 機能の低下をカバーする安全な作業方法の確立
・ 経験を活かせる配置
・ 作業における役割分担の明確化
・ 十分な教育と効果測定(理解の度合いの確認)
* ルール順守の徹底
・ ルールを守る理由とルールを守らないと何が起こるかの教育(know-why、know-what教育)
・ 若年者の見本となるように指導
* コミュニケーションの促進
・ 管理者等による積極的にコミュニケーション
・ ベテランの経験や作業のコツの伝承促進(若年者に学ぶように促す)

出典
厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/index.html)
未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118557.html)
警備業向け_安全衛生教育マニュアル(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/000611912.pdf)を加工して作成
令和3年1月10日現在

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