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交通誘導警備業務2「交通誘導警備業務の実施と基本的人権」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎交通誘導警備業務の実施と基本的人権

日本国憲法
第三章 国民の権利及び義務
第十一条  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

「基本的人権」とは、
・人間らしい生活を送る権利。
・すべての人間が人間であるかぎりにおいてもっている権利。
・平等権、自由権、社会権がある。

「享有」とは
・生まれながらにして持っている、ということ。

「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」とは、
・基本的人権は、人種・性別・身分等の区別に関係なく、人間であれば当然に生まれながらにして持っている権利。(人権の普遍性)

「侵すことのできない永久の権利」とは、
・人権が公権力によって侵害されるものではない。(人権の不可侵性)

「現在及び将来の国民に与えられる」とは、
・基本的人権が、今現在国民である者にも、将来国民となる者にも与えられる。(人権の固有性)

日本国憲法において保障されている基本的人権
・人間が生まれながらに持っていると考えられる権利。
・人間が人間として生活していくうえにおいて、当然認められるべき基本的権利。

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

☆「固有普遍性」
・基本的人権は、人間として当然の天賦生来の権利であって、 だれでも等しく享有する普遍的なものである。
・国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。(憲法条文)

☆「永久不可侵性」
・基本的人権は、 現在の国民ばかりでなく、将来の国民も等しく享有するもので、 将来永久に侵されることがない。
・基本的人権は、侵すことのできない永久の権利。(憲法条文)

個人の尊重と公共の福祉
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

・個人の生命、自由、幸福追求に対する国民の権利が、最大の尊重を受ける。
・基本的人権は、絶対無制限ではなく、「公共の福祉に反しない限り」という客観的限界がある。
・憲法は、個人の尊重を第一義としているが、その精神は、すべての個人を尊重することであって、一個人のみを尊重するということではない。
・公共の福祉による制限(制約)は、それぞれの自由及び権利の性格によって異なる。

交通誘導警備業務は、人の生命、身体、財産等に対する危害の発生を警戒し、防止する業務であり、その業務の性格上、他人の権利、自由を侵害するなどの行き過ぎや不当な行為を伴いやすい側面を有している、交通誘導業務を行う場合、基本的人権について十分理解したうえで、他人の基本的人権を侵すことのないようにしなければならない。

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警備業法
(警備業務実施の基本原則)
第15条 警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。

⑴前段 この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意する。
*注意規定という。
・警備業務は、公的権限を行使し得る警察業務とは本質的に異なる。
・業務実施に当たっては、あくまでも私人のいわゆる「管理権」等の範囲内で行わなければならない。

⑵後段 他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。
*禁止規定という。
・刑罰法令等に触れない場合であっても、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に不当な影響を及ほす行為は、すべてこれを禁止する。

交通誘導警備業務を行う場合は、道路交通法を遵守し、一般の通行者の任意の協力に基づき、成り立つことに特段の留意が必要である。

警備員の行う誘導が、あたかも強制力があるように、第三者に受け止められることがないよう、注意する必要がある。

交通誘導警備業務は、国民の生活の中に密接に関係する業務であり、業務上接する人々の理解と協力に基づいて、初めてその業務の有用性が認められる。

警備業者及び警備員指導教育責任者はこれらを認識し、警備員教育を実施しなければならない。

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