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交通誘導警備業務19「警備保障契約」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◉業務管理

◎警備契約

◯警備保障契約

1.契約の形態 
・複数の警備業者によって行われる警備業務の契約形態として四つの形態が考えられる。
⑴ 下請契約
⑵ 警備業者ごとの個別契約
⑶ 連名による契約
⑷ 協同組合契約

⑴ 下請契約
・契約先と元となる警備業者(元請)が一括して警備契約を締結、警備業務の実施に際して、その業務の一部又は全部を他の警備業者(下請・複数も可)に委託する形態。
・下請間との契約のほかは元請契約書の内容に下請業者名等を明示する必要がある。 

⑵ 警備業者ごとの個別契約
・契約先が当該警備業務の実施に参加するすべての警備業者と、それぞれ個別に警備契約を締結して業務を実施する形態。

⑶ 連名契約
・⑵と同じ契約形態であるが、一つの警備契約書において、参加する警備業者の役割分担を明確に表記、受注者の欄に全ての警備業者が記名押印(署名)し、警備契約を締結して業務を実施する形態。

⑷ 協同組合契約(共同受注契約)
・中小企業等協同組合法の適用を受けた協同組合が、協同組合の名称で警備契約を受注し、組合員である警備業者がその業務を実施する形態。 

独占禁止法=「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
公正取引委員会

*独占禁止法の事業者団体の規制について
・共通の利益を増進することを主たる目的とする2以上の事業者の結合体又はその連合体のことを「事業者団体」といい、任意に結合した2以上の警備業者の私的組合(連合)や警備業協会等の公益法人もこれに含まれる。
・独占禁止法では、「事業者団体」が営利契約の当事者となり、契約業務の実施をその構成員の一部が行うことについて「不公平な取引方法」として、これを禁止している。 
・協同組合は、それらの禁止の適用除外団体とされているため、営利契約の当事者となること自体は独占禁止法違反には当たらない。

2.指揮命令 
・民法の規定によって、元請契約の条項中に下請の禁止が規定されていない限り、下請契約自体に違法性はない。
 
・警備業法及び警備業の要件に関する規則では、職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)及び労働者派遣法第4条第1項第3号(警備業務に関し労働者派遣を行うことの禁止)に違反する行為を重大な不正行為として定めている。

・警備業法第21条第2項において、「警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため、この章の規定によるほか、内閣府令で定めるところにより教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない。」と定めており、現場の警備員が、他人の指揮命令を受けて業務を実施することを禁止している。

*下請業者から見れば元請業者(その従業員を含む)の指揮命令を受けて警備業務に従事することは、警備業法に抵触することになる。

*どの形態の警備保障契約の場合であっても、直接警備業務を行う警備員に対する指揮命令は、警備場所や区域並びに請負業務を明確に特定し、その警備員を雇用する請負業者が直接行う必要がある。

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警備業法、第三条第三号及び第四号の規定

警備業の要件に関する規則

☆職業安定法
第三章の三 労働者供給事業
(労働者供給事業の禁止)
第四十四条 何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。
(労働者供給事業の許可)
第四十五条 労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

☆労働者派遣法=「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第二章 労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置
第一節 業務の範囲
第四条 何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。
一 港湾運送業務(港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)
二 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)
三 警備業法(昭和四十七年法律第百十七号)第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣(次節並びに第二十三条第二項、第四項及び第五項において単に「労働者派遣」という。)により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務
2 厚生労働大臣は、前項第三号の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
3 労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を第一項各号のいずれかに該当する業務に従事させてはならない。

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