警備員指導教育責任者
基本編練習問題
問題663
次の文章は、刑法、自由、平穏又は秘密を害する罪(住居を侵す罪)に関する記述です、妥当であるものを選びなさい。
- 住居侵入罪は、住居の本質的な構成部分への侵入を指すため、 無断で屋根の上へ上がる行為は、 居住部分への侵入に当たらず、住居侵入罪ではなく、軽犯罪法違反に当たる。
- 「人の看守する」とは、看守者がそこに現在せず、人の目による看守の必要もなく、他人の侵入を拒む趣旨の「立ち入り禁止」の立て札を立て戸締りをしただけでも住居侵入罪は成立する。
- 訪問販売員が商談中、強引な勧誘、販売を行なったため、居住者が契約を断り帰るように言ったが、そこに居座って帰らなかった。この場合は、不退去罪が成立する。
- 通常は家人又は看守者の承諾があれば犯罪を構成しないが、仮に錯誤によって承諾した場合で、本来その意に反するであろう場合でも犯罪を構成せず、正当な理由がないのに侵入したことにはならない。
- 「邸宅」とは、住居用の建物のうち「住居」(起臥寝食の場所)として使用されていない場所をいい、空き家、閉鎖中の別荘、建築中の建物などであり、人が住んでおらず、かつ看守していな邸宅に正当な理由が無く侵入すれば住居侵入罪になる。
ヒント↓↓↓
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刑法、自由、平穏又は秘密を害する罪(指教責基本)
2号警備業務、軽犯罪法2(指教責実務)
答え、3
- 居住家屋に付属した庭があって塀で囲まれているような場合には、これらの全体がここにいう住居となる。屋根は、人が居住起臥に用いている場所の本質的な構成部分にあたる。
- 「人の看守する」とは、人が事実上管理・支配するという意味であり、建物に鍵をかけて、その鍵を保管するれば、建物を人が事実上管理・支配していることになる。塀などの囲いがなく、戸締りはしても鍵はなく、ただ立入り禁止の立て札を立てただけというような場合は、管理・支配の実効性がなく、「入ることを禁じた場所」と考えられる。「軽犯罪法違反」
- 訪問販売員は最初に承諾を得て住居に入れてもらい、商談の途中から強引な勧誘、販売を行っているため、この場合は刑法第130条後段の不退去罪にあたる。
- 通常は家人又は看守者の承諾があれば犯罪を構成しないが、仮に錯誤によって承諾した場合でも、本来その意に反するであろう場合、例えば、犯罪行為を行う目的で侵入したようなときは、「正当な理由がないのに侵入」したことになる。
- 「邸宅」とは、住居用の建物のうち「住居」(起臥寝食の場所)として使用されていない場所をいい、空き家、閉鎖中の別荘、建築中の建物などがこれにあたる。 人が住んでおらず、かつ看守していない邸宅・建物・船舶の中に正当な理由なく潜んでいる罪となり軽犯罪法に触れる。
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