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雑踏警備業務2「基本的事項、実施要項」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎雑踏警備業務の基本的事項

①.概要
・祭礼、興行、競技、その他催し物など、群集が雑踏する場所において、不特定多数の人々の安全と秩序を維持することを目的として、負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務。(警備業法第2条第1項第2号に規定)

②.業務内容
・博覧会会場、コンサート会場、競技場、各種パレード・マラソン、花火大会、神社・仏閣、ショッピングセンターなどにおいて、一般交通に及ぼす各般の支障を軽減するとともに、参集する群集の通行・観覧等に際しての秩序の維持、安全の確保等を目的として、誘導・規制等の整理を行う。
・警備対象となる行事等によってその規模・態様は異なるものの、一般に雑踏警備では複数の警備員が警備部隊を編成し、一定の役割分担のもとで相互連携しながら、雑踏や群集の中で事故の発生を警戒し、防止する。
・規模の大きい警備では、複数の警備会社が共同で警備の実施に当たることも少なくない。このため、他の警備業務にも増して、警備隊内外との密接な連携・協力が特に求められる。
・交通誘導警備の場合と同様、警備員による誘導には強制力はなく、規制を受ける側の自発的な協力に基づくものであるため、常に、群衆に対して感謝の気持ちと態度で接することが求められる。

③.求められる資質
・警備業務に携わる者は、一般市民生活や契約先の安全、ひいては公共の安全と秩序の維持等に寄与するという社会的使命感が求められる。雑踏警備に携わる者は、行事等において、衆人環視の中でその業務に従事するため、知識・技能の習得はもちろん、人格の陶冶にも努める必要がある。
・雑踏警備は社会全般の安全に強く寄与する業務であり、ひとたび事故が発生すると、契約先だけの問題にとどまらず、社会問題に発展することにもなりかねない。このため、雑踏警備に携わる者には、関係法令はもちろん、群集の持つ性格や群集心理の特性についてよく理解し、より高度な整理、誘導、広報等を行うことができるよう、絶えず警備技能向上に努める姿勢が求められる。

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◎雑踏警備業務実施要領

①.群集の規制・誘導は、あらかじめ定められた方針に基づいて行い、やむを得ない場合のほかはみだりに変更しない。

②.一部の群集が規制方針に反して勝手な行動をとったときは、放任することなく、協力を求める等必要な措置をとる。

③.入場待ちをさせる場合は、列の組み方、列の位置、進行の順序等について十分に広報活動を行い、入場待ちによる焦燥感を起こさせないようにする。
 
④.人の流れが停滞する原因となるような施設又は状況は、あらかじめ除去しておくとともに、群集が流動している場合においては、停滞させないように努める。
 
⑤.広範囲にわたる群集の流れが特定の場所において飽和状態に達したときは、先頭の群集を速やかに流すように努めるとともに、後続の群集を一時制限、停止分散(迂回)又は一時的に流入制限させるなど、飽和状態の解消を図る。

⑥.雑踏が危険な状態になったときは、群集を早急に避難させる措置をとり、事故防止に万全を期する。

⑦.出入口、階段、曲がり角、渡り廊下等危険が予想される場所では、押し合い、先争い、立ち止まりその他秩序を乱す行為を絶対にさせないようにする。

⑧.規制用資機材の使用に当たっては、ときとして事故の発生を助長する結果を招くこともあるので、その使用方法や設置場所等について慎重に検討する。

⑨.常に雑踏の状態や群集の変化を的確につかみ、これに応じた臨機の措置をとる。

◎施設管理権の行使

①.施設管理権の発動
・本来契約者等が行うべき管理規制行為を警備員が代行しているに過ぎない。
・警備員が行う権限行為は、契約者等の施設管理権の及ぶ範囲で、かつ警備契約によって警備員に委託された範囲内に限られる。

②.権限行使の限界
・施設管理権が及ぶ範囲内でも特別な権限を有しない警備員等は、その権限行使の限界を明確に認識しておく。

◎関係者との連携

①.契約先等との連携
・連携方法については、事前に十分協議し、原則として警備隊組織の中枢である警備隊本部が連絡・通報担当窓口及び担当者を定めて行う。

②.警備隊内での連携
・警備隊内での連携(指揮命令)については、警備隊本部(隊長)へすべての情報が集約される。

③.アルバイト要員、ボランティア要員等との連携
・ボランティア要員等が実施する業務について、事前に十分協議し、警備員が行う警備業務との関連を明確にしておく
・ボランティア要員等と警備員等とが密接な連携体制を必要とする場合もあるので、主催者側に警備員に対する教育と同等程度の教育を実施してもらうなど、適切な対策が必要。

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