交通誘導警備業務
2級検定練習問題
問題108
次の文章は、警備業の歴史や意義と重要性についての記述です、誤っているものを選びなさい。
① 警備業は近年、社会構造の複雑化、治安情勢の深刻化、国民による自主防犯活動の活発化などにより、多種多様な警備業務を展開しながら発展している。
② 「警備業務」とは、人の生命、身体、財産等に対する危害の発生を警戒し、防止する業務であり、必ずしも他人の需要に応じて行う業務である必要はない。
③ 昭和39年に開催された東京オリンピック選手村の警備によってその存在が広く認識される。
④ 高度成長期における企業の合理化と人手不足の時代を背景とし、各種施設の防犯防災業務、道路上での危険を防止するための交通誘導業務、貴重品等の運搬中の盗難防止、ボディガードなどの分野で急速に発展した。
⑤ 地域社会における犯罪抑止機能の低下が進む中、社会全体の防犯機能を強化していくために、今後も警備業の果たす役割は重要性を増していくものと考えられる。
ヒント↓↓↓
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警備業法1、目的、定義(交通2級)
警備業務の基本的事項
警備業法 第2条 その1
答え、②
「警備業務」とは、他人の需要に応じて人の生命、身体、財産等に対する危害の発生を警戒し、防止する業務である。
「他人の需要に応じて行う」とは他人の委託、他人との契約に基づいて他人のために行うことです。
デパート、建設業者、商業施設などが自社の従業員を使って社内で行う保安業務は「警備業務」ではありません。
しかし、運送業務、施設管理業務などに普通に必要とされる以上に事故等の発生を警戒し防止する業務が行われていると認められるものについては「警備業務」である。
例えば現金輸送業務は、現金を輸送する業務プラス盗難等の事故の発生を警戒する業務も行いながらとなりますので、その行為は警備業務に該当するということです。
◎ 欧米における警備業の歴史
・西欧では約200年前、個人の素行調査や企業の信用調査などの探偵業務に始まる。
経済、産業の発達に伴う治安情勢の悪化により、安全を国民自らの手で守るといった社会のニーズから専門的、組織的に改善された警備業に発展。
・米国における警備業は、西部開拓の歴史の中で地域の治安を自主的に維持するために保安官制度が出来上がる、その後、世界初の警備会社ピンカートン社が誕生し警備業の礎を創り出す。
・その後米国では、第二次世界大戦の兵器の研究開発、軍需物資の生産施設の警備体制を確立するため、国防省の指導、 監督により産業警備に優れた理論とシステム的な手法が開発された。そのセキュリティノウハウが警備会社にフィードバックされることにより警備業を飛躍的に発展させる契機となった。
◎ 我が国における警備業の歴史 (警備業法制定まで)
・我が国に警備業が産業として誕生したのは、先進諸外国に比ベ比較的遅く、昭和37年頃のことである。
・昭和39年のオリンピック東京大会の選手村の警備、昭和44年連続射殺事件の犯人逮捕の協力、昭和45年の大阪万国博覧会の警備などが警備業発展の契機となる。
・その後、施設警備のほか、交通誘導、現金輸送車警備、ボディガードなど産業として定着してゆく。
・警備業は、誕生以来急速な発展を遂げたが、その反面では、警備員の非行その他の不法、不当事案が目立つようになり、世論の批判を受けるようになっていった。
◎主な不法、不当事案
・労働運動への干渉
・警察官の制服と類似の服装で行われた犯罪
・勤務中における窃盗
◎前述のような情努に対応して、昭和47年6月に警備業法が制定された。
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