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警察機関等への連絡要領(交通2級)

交通誘導警備業務2級検定項目
(平成30年版)

Ⅰ. 事故の発生時における警察機関その他の関係機関への連絡を行うため必要な事項に関する専門的な知識

2 警察機関等への連絡要領

① 警察機関への連絡
○警察に110番通報すべき事案のうち、警備員が遭遇することが予想される主な事案
・交通事故が発生したとき。
・けんかをしているのを目撃したり、暴力や暴言で他人に迷惑をかけている人を目撃したとき。
・刃物などの凶器を持っている人を目撃したとき。
・不審な人や車を目撃したとき。
・資機材置場などから他人の財物を盗んでいるのを目撃したとき。
・街路灯に投石したり、器物を損壊したりしているのを目撃したとき。

110番通報のポイント

例1
何がありましたか?(事件・事故)
いつですか?(時刻)
場所はどこですか?(今どこにいますか?)
犯人は?(犯人の特徴、車種、逃走方向など)
被害状況、事故の様子
あなたの氏名、住所、電話番号
以上のことを警察官が質問します。あわてず正確に答えてください。
受理と同時に関係警察署にも指令していますので、電話中にもパトカーや警察官が現場に向っています。

例2
① 何があったか(事件か事故か)
② 発生時刻はいつか(通報から何分前か)
③ 場所はどこか
④ 犯人の状況や人数(何をしているか)
⑤ 犯人の特徴や凶器の有無(年齢、性別、身長、体格、髪型、服装、所持品等)
※ 110番通報と同時に警察から救急隊に通報がされますが、けがの状況などの詳細連絡のため、併せて余裕があれば119番通報をしてください。
※ 通報の際に、改めて犯人の状況や様子などを再確認する必要はありませんので、安全を確保しながら落ち着いてゆっくり的確に伝えてください。
⑥ 犯人が立ち去った(逃走した)場合は、逃げた方向と手段
※ 車両であれば車種や塗色、ナンバー(一部でも)
⑦ 通報者について(目撃者か関係者か)
※ 自身が「目撃者」か「通報を依頼された者」なのかを伝える。
※ 番号通知(非通知設定を解除)やGPS(位置情報サービス)を通知することで、通報がスムーズになることがあります。
※ 聴取内容や順番は基本的な事項ですので、状況によって異なる場合があります。

例3
1 まずは「何」があったか
(例)「不審者が入ってきました(入ってきそう)」「交通事故がありました」
2 「いつ」起こったか
(例)「●時●分ころ」「今から●分くらい前」
3 「どこ」で起こったか
(例)「●施設(住所地や近くの公共施設)」
4 被害や目撃「状況」
(例)「施設の塀を乗り越えようとしている男が複数いる」
5 「犯人」について
(例)「●歳くらいの男(女)で、●色の服に●色のズボン、●を持っている」
6 「けが人」の有無
(例)「棒(凶器)で殴られて、複数人が血を流している」
7 「自分」について
通報者の氏名・連絡先・住所など

※好ましくない表現としては
「大変です!とりあえず早く来てください」 → 事件か事故なのかわからないため
「さっき」「人がいっぱいいる場所」 → あいまい・抽象的な表現、移動する目標物など
「数日前に…」「…な気がする(噂がある)」 → 緊急性がない事案や、相談は「#9110」へ

② 消防機関への連絡
○消防機関に119番通報すべき主な事案
・火災が発生したとき。
・急病人が発生したとき。
・けが人が発生したとき。

火災か救急かを伝える。
場所を正しく、分かりやすく伝える。自分がいる場所の地名などが分からないときは、目印になる大きな目標物などを伝える。
火災、事故の状況など、分かる範囲で伝える。
火災の場合、燃えているもの、負傷者の有無、逃げ遅れた人の有無を伝える。
救急の場合、傷病者の年齢、性別、どのような容態かを伝える。
通報者の名前と電話番号を伝える。

3 各種事案の通報内容
想定外の事件や事故に遭遇すると人は気が動転し、普段どおりに会話ができなくなる。
警備員は、緊急の事態であっても冷静さを失わず、 必要な情報を素早く把握し、巧遅より拙速を心がけた通報が行えるよ日頃から訓練しておく。

○通報例

交通事故が発生した場合
警察官
「はい、警察です。何がありましたか?」
警備員
「交通事故が発生しました。」
警察官
「発生時間は何時ですか?」
警備員
「〇〇時〇〇分です。」
警察官
「発生場所はどこですか?」
警備員
「国道〇号線、〇〇交差点、〇〇銀行の前です。」
警察官
「事故の状況と負傷者はいますか?」
警備員
「乗用車が歩行者に接触し、歩行者が負傷しました。」
警祭官
「負傷の程度はわかりますか?」
警備員
「意識はありますが、左足に痛みを訴えているため、救急車の要請をお願いします。」
警察官
「現在の現場の状況はどうなっていますか?」
警備員
「運転者が、負傷者の救護と二次災害防止を行っています。」
警察官
「あなたはどなたですか?」
警備員
「私は、現場付近で交通誘導警備業務に従事している〇〇警備の〇〇です。」

事件が発生した場合
警察官
「はい、警察です。何がありましたか?」
警備員
「侵入事案が発生しました。」
警察官
「発生時間は何時ですか?」
警備員
「〇〇時〇〇分です。」
警察官
「発生場所はどこですか?」
警備員
「〇〇町〇丁目、国道〇号線沿い、〇〇工事現場の事務所です。」
警察官
「状況はわかりますか?」
警備員
「現場事務所に到着したところ窓が割られており、中が荒らされた形跡があります。被害は不明です。」
警察官
「犯人はわかりますか?」
警備員
「犯人には遭遇しておりません。」
警察官
「あなたはどなたですか?」
警備員
「私は、この現場で交通誘導警備業務に従事している〇〇警備の〇〇です。」
※犯人に遭遇していた場合は、犯人の人数や着衣・特徴・逃走方向などが質問されます。

負傷者が発生した場合
消防官
「はい、消防です。火事ですか?救急ですか?」
警備員
「救急です。」
消防官
「場所はどこですか?」
警備員
「〇〇市〇〇町〇丁目、〇〇デパートの駐車場です。」
消防官
「どうしましたか?」
警備員
「〇〇歳ぐらいの男性が道路で腹痛を訴え倒れています。」
消防官
「あなたの名前と今かけている電話の番号を教えて下さい。」
警備員
「私は、この駐車場で交通誘導警備業務に従事している〇〇警備の〇〇です。電話番号は〇〇〇一〇〇〇〇一〇〇〇〇です。」

火災が発生した場合

消防本部
はい、消防119です。火事ですか、救急車ですか。
通報者
火事です。
消防本部
場所はどこですか。
通報者
△△町××の○○です。□□商店の近くです。
消防本部
何が燃えてますか
通報者
例1:家の台所が燃えています。
例2:○○工場の2階の窓から火が見えます。
例3:交通事故の車が燃えています。
例4:家の北側の山の中腹に煙が見えます。
消防本部
どこが、どのくらい燃えてますか。
通報者
例1:天プラ油に火がつき、天井まで届きそうです。
例2:2階窓から炎がふき出してます。1階には火が見えません。
例3:車全体が炎に包まれてます。
例4:火は見えませんが、黒い煙がもくもくと上がってます。
消防本部
逃げ遅れやケガ人はありませんか。
通報者
例1:皆、無事に避難してます。
例2:運転手が、左腕に火傷を負ってます。
消防本部
最後に、あなたのお名前とおかけの電話番号をお願いします。
通報者
私は、付近で交通誘導警備業務に従事している〇〇警備の〇〇です。電話番号は〇〇〇一〇〇〇〇一〇〇〇〇です。
消防本部
すぐに、消防車と救急車が向います。危ないと思ったら、ただちに避難してください。

消防官
「はい、消防です。火事ですか?救急ですか?」
警備員
「火事です。」
消防官
「場所はどこですか?」
警備員
「国道〇号線、〇〇交差点角のアパート〇〇です。」
消防官
「何が燃えていますか?」
警備員
「2階建てアパートの2階、東角の部屋が燃えています。」
消防官
「逃げ遅れた人はいますか?」
警備員
「アパート内には誰もいないとのことですが、未確認です。」
消防官
「あなたの名前と今かけている電話の番号を教えて下さい。」
警備員:「私は、付近で交通誘導警備業務に従事している〇〇警備の〇〇です。電話番号は〇〇〇一〇〇〇〇一〇〇〇〇です。」

救急の場合
消防本部
はい、消防119です。火事ですか、救急車ですか。
通報者
救急です。
消防本部
場所はどこですか。
通報者
△△町××の○○です。□□商店の近くです。
消防本部
救急車の必要な人のお名前と年齢を教えてください。
通報者
○○○○。△△歳です。
消防本部
どうしましたか。
通報者
例1:トイレに行く途中に突然倒れました。
例2:車同士の交通事故で、ケガ人が○名いるようです。
例3:玄関先で転んでケガをしました。
消防本部
どんな様子ですか。
通報者
例1:倒れたままイビキをかいていて、揺すっても反応がありません。
例2:40歳代の男性2人が、頭から血を流し、道路脇に座って警察官と話してます。もう1台の車の運転手は、何かに挟まって、車外に出られないようです。
例3:意識はしっかりしていますが、左肘のあたりが変形していて、触るとすごく痛がります。
消防本部
病歴やかかりつけの病院を教えてください。
通報者
例1:5年前に○○病院で、脳梗塞の手術を受け、1年ほど入院しました。今も、月に1回通院しています
例2:3年前に心筋梗塞で、△△病院に入院したことがありますが、今は、通院など特にしていません
消防本部
最後に、あなたのお名前とおかけの電話番号をお願いします。
通報者
○○○○○です。住所は○○町△△。
電話番号は△△-××××(0△0-□□□□-××××)
消防本部
救急車はもう出動しています。救急車が近づいたら案内をお願いします。

あわてて一方的に話すと正確に伝わらないうえ、時間もかかる。
自分だけで一気に話そうとせず、落ち着いて聞かれたことに正確に答える。

警備員自身が事件や事故に遭遇したときは、躊躇(ちゅうちょ)することなく、落ち着いて必要な連絡が行えるよう、日頃から訓練をしておくこと。

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