スポンサーリンク

受傷事故防止に必要な危険予知(交通2級)

交通誘導警備業務2級検定項目
(平成30年版)

Ⅳ. 人又は車両に対する合図の方法その他の人又は車両の誘導を行うため必要な事項に関する専門的な知識

6 受傷事故防止に必要な危険予知

○危険予知とは
・労働災害が発生する直接の原因は「不安全な状態」と「不安全な行動」
・「不安全な状態」とは、設備面や管理面の不備
・「不安全な行動」とは、
ア、ヒューマンエラー(不注意に起因する行動)
・見間違いや聞き間違い、うっかりやぼんやりといった不注意がもたらす不都合な結果のこと。
イ、リスクテイキング(あえて危険性のある行為を選んでしまう行動)
・作業に掛ける手間や労力、時間やコストを省くことを優先した結果、安全に必要な確認作業をおこたる。
・仕事や作業への慣れや油断から「これくらいは大丈夫だろう」と考えること。

*「危険予知活動」(KY活動)は、ヒューマンエラーの対策に有効である。
・作業の前にその作業に「どんな危険が潜んでいるのか」を話し合い、「ここが危ない」と危険予知活動(KY活動)を行う。
・「危ない」状況への対策を決め、即実行する。

○危険予知活動(KY活動)の進め方
・KY活動の基本的な手法(基礎4ラウンド法)
1R 「どんな危険がひそんでいるか」 → (より多くの危険を見つける)
2R 「これが危険のポイントだ」 → (重要なものに絞り込む)
3R 「あなたならどうする」 → (より多くの対策を考える)
4R 「私たちはこうする」 → (対策を絞り込む)

① 危険の洗い出し
・リーダーはその日の作業を順次説明し、どんな危険が潜んでいか、想像できる危険を隊員に問いかけ、自由に出してもらう。
・過去に「ヒヤリ」とした、「ハッ」としたことを思い出してもらい、数多くあげてもらうことがポイント。
「~なので(~ので)」 + 「~して」 + 「~になる」
不安全な状態、つまり危険になる要因「~なので」プラス、不安全な行動「~して」が現象、そして結果「~になる」が起こって、労働災害となる。

② 特に重要な災害に結びつく危険項目の洗い出し
・いろいろ出てきた危険の中から、「特に重大な災害に結びつく項目」を全員の話し合いで1〜2項目選ぶ。
・よく起こりがちなもの、起きたら大事(おおごと)になるもの「危険のポイント」を判断基準にし、全員の合意で選択。

③ より多くの対策を考える
・リーダーは重要事項について、事故を予防するために「あなたならどうする」とメンバーそれぞれに問いかける。
・出てきたアイデアの中から具体的で実行可能な対策を選び、「チームとしてこうすべきだ」という実践的な行動や対策を出していく。
・KYは行動目標を決めていくことです。否定的な表現よりも行動的・能動的な表現を心がける。

④ 対策を絞り込む
・「特に重大な災害に結びつく項目」についての対策を話し合う。
・対策は作業に当たる者の立場になって、実行可能な内容を全員で出し合う。
・出し合った対策の中で、全員が必ず実行する内容を決め作業にあたる。

*チーム行動目標を「 ~を ~して ~しよう、ヨシ!」と指差唱和。

  リーダー 「チーム行動目標!」

  全員   「周囲の安全を確認して、明確な合図で誘導しよう、ヨシ!」

  (さらに、続けて指差し呼称も3回行う。)

  「明確な合図ヨシ!」

  「明確な合図ヨシ!」

  「明確な合図ヨシ!」

タッチ・アンド・コールで、「ゼロ災でいこう、ヨシ!」を唱和しKYを締めくくる。

*いくら話し合いに時間をかけても、それを実行に移さなければ受傷事故を防ぐことはできない。
*作業の一環としてやらされているだけ、書いただけ、読んだだけでは意味がない。
*自分の身は自分で守ることを念頭に危険防止を行うこと。

☆実際は現場事務所等で建設業者が作成したKY活動用紙にリーダーが毎日、毎朝、記入することが日常です。それを読み隊員がサインをして作業を始めます。
○KY活動表サンプル

スポンサーリンク

○危険予知訓練
「ヒヤリ・ハット」とは、危ないことが起こったが、幸いにして事故には至らなかった事案のことです。
この「ヒャリ・ハット」を現場で共有するとともに、類似現場の事故事例を参考にして危険予知訓練(KYT)を行うことも有効。

7 その他の危険防止措置
○運転者の心理
・運転者の考え→自分は事故を起こさない。
・警備員の誘導により事故→警備員の責任であると考えがち。
・走行中、目の前に障害物が飛び出す→無意識にハンドルを切り障害物を避ける。
☆運転者が取るであろう行動を予測することで多くの危険を回避できる。

○子供の行動特性
・興味のあるものに対して意識が集中→他のことは目に入らない。
・いきなり走り出したり、思わぬ方向に飛び出したりする。
・子供の行動特性を考慮する必要がある。

○安易な信頼の排除
・誘導の対象となる運転者の運転技術を過信しない。
・停止合図を出した車両を常に注視、安全確認後に発進合図。
・いかなる時も万全の誘導を行う。

○退避場所の確保
・警備員の左右に保安用資機材があるなど、動きが取れないような位置で誘導を行わない。
・あらゆる状況を想定し、危険を回避できる場所を考えておく。

○その他の危険予知
受傷事故を防止するためには、いろんな事故の事例を研究しその原因について考察することが必要である。

コメント