スポンサーリンク

合図実施中における受傷事故の防止(交通2級)

交通誘導警備業務2級検定項目
(平成30年版)

Ⅳ. 人又は車両に対する合図の方法その他の人又は車両の誘導を行うため必要な事項に関する専門的な知識

5 合図実施中における受傷事故の防止

◎受傷事故防止の留意事項

○基本的事項
・警備員が使用するその他の資機材等の点検を確実に行う。特に、ヘルメットはあご紐をしつかり締めて着用する。
・夜間の交通誘導業務は必ず夜光チョッキを着用し、照度の十分な誘導灯を使用する。また、交通誘導警備業務用資機材は、夜光性のもの又は反射装置を施したものを使用する。
・必ず事前に道路使用許可条件を確認し、使用する交通誘導警備業務用資機材を道路使用許可証に記載されているとおりに設置する。
・合図を受ける対象車両から見やすく、警備員から対象車両が見え、機敏に動くことができる安全な位置を選定する。
・合図の動作は明確に行い、運転者がその合図を了解したかどうかを確認する。
・追突事故に注意する。特に夜間は、飲酒運転や過労運転による重大事故の発生に留意する。
・運転者の運転技術を過信しない。
・むやみに車道中央に出ない。
・あらゆる状況を想定し、危険を回避できる場所を考えておく。
・車両の内輪差、外輪差、操舵方式の特性などを把握しておき、車両近くの危険な場所で誘導を行わない。

○警備員相互の連携の強化
・警備員相互に良好なコミュニケーションを図り、信頼関係を築き、連携を強化する。
・相互の健康状態に気を配っておく。

○熱中症の予防及び対策
・自己管理の徹底。(健康的な生活、精神的ゆとり、適度の緊張感)
・厳しい労働環境。(熱中症の予防、対策)
・日常的な健康管理。(睡眠不足、前日の飲酒、朝食の未摂取、下痢などによる脱水症状)

———————–

◎熱中症を疑ったときには何をするべきか
熱中症を疑った時には、放置すれば死に直結する緊急事態であることをまず認識しなければなりません。
重症の場合は救急車を呼ぶことはもとより、現場ですぐに体を冷やし始めることが必要です。

○現場での応急措置
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内等に避難させましょう。
傷病者が女性の場合には、次の処置の内容を考慮して男女で救護することをお勧めします。

○脱衣と冷却
・衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて
風通しを良くします。
・露出させた皮膚に濡らしたタオルやハンカチをあて、うちわや扇風機等で扇ぐことにより体を冷やします。服や下着の上から少しずつ冷やした水をかける方法もあります。
・自動販売機やコンビニで、冷やした水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割氷、氷のう等を手に入れ、それを前頚部(ゼンケイブ、首の付け根)の両脇、腋窩部(エキカブ、脇の下)、鼠径部(ソケイブ、大腿の付け根の前面、股関節部)に当てて、皮膚直下を流れている血液を冷やすことも有効です。
・体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
・救急車を要請する場合も、その到着前から冷却を開始することが必要です。

* 熱が出た時に顔の額に市販のジェルタイプのシートを張っているお子さんをよく見かけますが、残念ながら体を冷やす効果はありませんので、熱中症の治療には効果はありません。

○水分・塩分の補給
・冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらいます。冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪います。同時に水分補給も可能です。大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切
に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1ℓに1~2gの食塩)も有効です。
・応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷やした水分を口からどんどん与えてください。
・「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」、「答えがない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。また「吐き気を訴える」ないし「吐く」という症状
は、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。すぐに、病院での点滴が必要です。

○医療機関へ運ぶ
・自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です。
・実際に、医療機関を受診する熱中症の10%弱がⅢ度ないしⅡ度で、医療機関での輸液(静脈注射による水分の投与)や厳重な管理(血圧や尿量のモニタリング等)、肝障害や腎障害の検索が必要となってきます。

出典:環境省熱中症予防情報サイト (http://www.wbgt.env.go.jp/)
熱中症環境保健マニュアル 2018(環境省)
熱中症を疑ったときには何をするべきか(http://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_2-3_2-4.pdf)
を加工して作成

コメント