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雑踏警備業務17「群集心理の特性」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎雑踏における群集の特性
・集団とは、みんなで何かをしようといった統一された目的があります。その中には上下関係や規律があって人が集まっている状態である。
・集団状態で危険な方向に心理状態が傾くと、一人の時は、考えもしなかったことを考え、普段一人ではおこなわないような行動もしてしまう。(集団心理)

・群衆とは単純に人が群がっているだけの状態。構成人員もバラバラで、人間関係もない、統一された意志がない状態である。
・人が群衆となり理性が薄れると、流言飛語、デマに踊らされ普段では行わない行動、違法行為、暴力行為に発展することも有ります。(群集心理)

・また、集団が集まり無秩序な群集に発展することもある。

◎群集心理の特性
⑴ 無名性・匿名性・無責任性
・自己の言動に対する責任感と個性がなくなること、自己を無名の人として、また群集の一部分として意識する。
・群集の中で「一個人」の責任感が弱まり集団の雰囲気に左右されやすくなり、公衆道徳や社会秩序、社会規範に対する意識、理性が損なわれる。
・普段「一個人」としては、自分自身を自覚して行動しているので悪いこと、無責任なこと、恥ずかしいことはできないと感じ、きちんとした社会行動が取れている。それが群集の中の一人になってしまうと、普段感じている「一個人」としての意識が弱くなってしまう。例えば、一人で石を投げて窓を割れば個人の責任が問われますが、大勢の人が石を投げてその中の一つが窓ガラスを割ったときには、誰の責任だかわからなくなり、群衆の中の大勢の一人であるため罪悪感が薄くなり責任性がなくなる。

⑵ 暗示性・被暗示性・軽薄性
・被暗示性とは、暗示のかかりやすさ。
・意識の範囲が狭くなり、外部からの影響に対する抵抗が弱くなる。
・群衆の中の一人になると、被暗示性が高まり暗示にかかりやすくなる。
・いつもならもっと冷静な人なのに誰かの意見に簡単に乗ってしまったり、その場の雰囲気にしたがった行動をしてしまう。
・大きな声や、はっきりとした号令、命令につい従ってしまい、他の人の思いがまるで伝染するように、共通した考えや感情を持ちやすくなる。

⑶ 無批判性
・無批判的に他人の判断や発言を鵜呑みにするようになる。

⑷ 興奮性
・群集の中にいることによって、感情が単純で、しかも非常に興奮しやすくなり、偏った極端な行動をとりやすくなってしまう。

⑸ 情意性・感情性・直情性
・感情的になる。論理的に考えられなくなる。
・感情性が強く、知的作用が後退し、情意性が表出、そのまま行動に移る。
・雑踏という環境の変化によって、近道本能(社会的規範によらず、直ちに結果の発生を求める本能)にかえり、自分本位となって警察官等に従わない等、直情的な行動をとってしまう。

⑹ 親近性
・群集の中にある個々相互の心理的交渉を通じて、親近感・同志感を持つようになる。

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⑺ 付和雷同性
・群集の中に居ることによって他人の非常識な行動が感染して、なんの不自然さも感じず自己もそれと同様の行動をとってしまう。

⑻ 暴力性
・群集の中に溶け込むことによって、極めて強い想像力が生じ、恐怖心や自分の行動が思うようにならないことによる怒り(焦燥感)から暴力的行為を行う。

⑼ 力の実感
・自分達が強くなったような気になる。

○群集は、共通の対象への関心が高まればその対象を中心として1つの全体的なまとまりとなり、次第に自己意識が薄らぎ、全体の中に融合する。
1、暗示にかかりやすい集団である。
2、1人ひとりに共通した関心があって集まる。
3、感情的な雰囲気に支配されやすい。
4、集団は偶然的、一時的に発生する。
5、1人ひとりに接近性がある。

参考サイト様
・井上慎介オフィシャルサイト様(http://i-plan.bz/)
・今すぐ使える新時代の心理学講座ポータルサイト様(https://newstyle.link/)
・心理学総合案内こころの散歩道様(http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/)
参考著書
・警備員指導教育責任者講習教本、実務編(一社、全国警備業協会)
・雑踏警備の手引(兵庫県警著)

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