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交通誘導警備業務3「車両及び歩行者の誘導の方法」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎車両及び歩行者の誘導の方法

1.合図実施上の基本的心構え

ア 相手方の自発的な協力に基づいて行われるものであり、特別に権限を有する者のように指示したり命令することのないように常に言語態度には十分留意。

イ 基本の姿勢及び合図の方法の要領を把握し、節度があり、分かりやすい動作で行う。

ウ 工事関係車両等特定の車両のみを優先した誘導を行わない。常に現場の交通状況全般を把握し安全かつ円滑な交通の誘導に努める。

エ 信号機、道路標識等が設けられている場所においてはこれらに従い、警察官等がいる場合はその指示に従う。道路交通法の定める車両及び歩行者の通行方法に適合する範囲内で行う。

オ 道路使用許可条件を熟知しその条件を遵守し安全かつ円滑な交通の誘導に努める。

カ 歩行者や通行車両の安全を図る、工事用車両及び工事関係者、警備員自身の受傷事故防止に留意する。

キ 誘導が複雑になる交差点や交通量の多い場所等では、事前に警察署に連絡しその具体的な指導を受けるようにする。

ク 服装、 頭髪、 その他身だしなみを清潔 ・ 端正にする、 体調を整え心身ともに良好な状態で交通誘導警備に当たる。平素から交通誘導警備技術の向上に努める。

2.具体的留意事項

⑴ 工事現場等での車両の誘導

ア 横断歩行者の安全について特に配慮する。

イ 工事関係車両を誘導する際、一般車両や歩行者の通行の間隙を縫い、安全を確認してから行う。

ウ 交通流に逆らって工事関係車両等を無理に出入りさせない。

エ 工事関係車両が現場へ右折で入るため、対向車両等の通過待ちをしてその後続車両の通行を妨げているときは、対向車両の停止を求めて工事関係車両等を誘導し工事関係車両が円滑な交通を妨げることのないようにする。

オ 交互通行等、複数の警備員によって警備を行う場合は相互に連携協力して一体となって行う。

カ 出入りする車両の多い工事現場は、原則、出入口の右方道路から左折で工事現場内に進行させ、出入口から左方道路に左折で道路へ進行させる。

キ 原則として、工事関係車両を道路上で順番待ちをさせるなど停車又は駐車をさせない。

ク 車両を相互通行させるときは、道路の狭い部分に入る手前で十分速度を落とし徐行させる。

ケ 地盤の軟弱な場所へ車両を誘導しない。 やむを得ない場合は、運転者にその旨を伝える。


⑵ 一般車両を停止させる場合

ア 工事関係車両を優先させるため、一般通行車両を停止させるなどして円滑な交通の流れに支障を及ぼすことのないようにする。

イ 交互通行のため一般車両を停止させるときは、車両の速度や後続の有無等を考慮し、無理な停止をさせない。工事現場と停止させる場所とに十分な距離をおき対向車両がすれ違う際の妨害とならないようにする。

ウ 走行中の車両の進行方向の前面に出て停止させることは、極めて危険であるので絶対にしない。

エ 一般車両を停止させる場合には道路の左側端に沿って停止させる。

オ 次に掲げる場所にはやむを得ない場合を除き停止させない、そのような場所に停止車両が滞留することがないようにする。交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル、道路の曲がり角付近、バス停付近、安全地帯周辺。

カ 停止の合図はゆとりを持ってはっきりと行う、悪天候の下で停止させる場合は車両の制動距離に留意する。

⑶ 停止させた車両を発進させる場合

ア 停止させた車両に対しては発進まで停止の合図を継続しておく。

イ 停止させた車両を発進させる場合は、他の交通の状況を見て安全を確認した後に発進させる。片側交互通行を行っている場合には、反対方向からの車両が確実に停止したことを確認してから発進させる。

⑷ その他の留意事項

ア 他の正常な交通を妨害するおそれのあるときは、横断、転回、後退等をさせない。

イ 誘導する車両の死角に入らない、常に運転者から警備員の存在が見える位置で誘導する。

ウ 誘導の相手方が横断、転回、後退等を開始した後も他の交通の状況に常に注意を払う。

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3.合図の確実な伝達方法

ア 誘導の対象となる車両の運転者、他の車両の運転者からもよく見え、車両に接触するおそれのない位置を選定する。

イ エンジン音や他の騒音のために、合図が運転者に確実に伝わらないときは、警笛や拡声器を活用する。

ウ パワーショベルは、急に旋回、前進及び後退することがあるので、常に安全な距離を保ち運転者から合図を確認できる位置を選定する。

エ 合図は大きい動作、分かりやすい早さで行う。

オ 自己流の動作や不必要な動作は相手方を困惑させ合図として正確に伝わらないので、動作、警笛の吹鳴要領は正しく基本に忠実に行う。

カ 後進車両を誘導する際は必ず警笛を使用する、右折又は左折する場合は必す運転者と事前にその方向等について打合せを行う。

キ 合図を行う場合は原則として誘導する車両の運転者に注目して行う。

ク ー般通行車両の運転者が合図を十分に認識し余裕を持って対応できるよう、車両から工事現場までの距離、速度等を掌握して合図を行う。


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