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交通誘導警備業務18「警備契約」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◉業務管理

◎警備契約
・警備契約とは、契約先からの依頼を受けて、警備業務の提供を約する契約である。
・警備契約の形態は、一般的には請負契約である。(労働条件によって契約形態は異なる「委任契約」となる場合もある)
・警備業務は、「安心と安全を提供する」という責務があり、それを果たすことによって報酬が得られる。これは「無形の成果」という考え方に基づくもので、警備員が適切に警備を行っていたから、「今日は何もトラブルが起きなかった」という解釈になる。

☆警備業務は、警備業者が雇用する警備員を当該雇用関係の下に、かつ他人の指揮命令を受けて警備業務に従事させることが適当でない業務である。(労働者派遣法第4条第3号)

・警備業務の提供の実態が労働者供給や労働者派遣であった場合は、労働基準法違反や労働者派遣法違反として罰せられる。

◯労働者派遣事業の適用除外業務
次のいずれかに該当する業務での労働者派遣事業を行ってはならない。
(1)港湾運送業務
(2)建設業務
(3)警備業務
(4)病院等における医療関係の業務
(5)その他
 ・人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉又は労使協定の締結等のための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
 ・弁護士ほか8資格の業務
 ・建築事務所の管理建築士の業務

・警備業者及び警備員は、警備契約が労働者供給等であってはならないということを認識すること。  
・労働者供給、労働者派遣、請負、職業紹介についてその雇用関係(使用関係) 等を図に示すと、次のようになる。

*上の図のように、労働者である警備員と契約先との間に、使用関係又は雇用関係が生じれば、労働者供給、労働者派遣、職業紹介のいずれかに該当し、請負形態とはならない。

◯労働者派遣法
・正確には、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」である。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)と相まつて労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もつて派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。
(用語の意義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 労働者派遣 自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。
(二、三、四、省略)

第二章 労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置
第一節 業務の範囲
第四条 何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。
一 港湾運送業務(港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)
二 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)
三 警備業法(昭和四十七年法律第百十七号)第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣(次節並びに第二十三条第二項、第四項及び第五項において単に「労働者派遣」という。)により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務
(2、3、省略)

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◯警備契約の内容

・警備契約の締結をしたときに、当初契約先が希望し、合意した業務が契約書又は警備計画書から除外されることがある。
・業務の開始までに想定できなかった事案が発生し、警備計画書等に記載されてはいないが現場では必要となる業務もある。

★往々にして契約先担当者が警備計画書等に記載されていない業務 (作業) を現場の警備員に直接依頼することがある。
・お客様である契約先から依頼を受ければ、事情の許す限り快く協力しようするのは当然のことである。
【よくある事例】
・工事現場の出入口付近の清掃や工事作業の簡単な手伝い。

★警備計画書等に記載されていないことを雇用元である会社の指示を受けないで、契約先の依頼で行った場合
・その契約先の指揮命令を受けて業務を行ったことになり、労働者派遣法違反となる。

☆警備業者は警備員に警備指令書等によって警備業の実施内容を熟知させる。

☆警備現場において、契約先担当者から警備指令書等に記載されていない作業の依頼を受けた場合
① 会社側を通じて依頼を受けるようにする。
② 警備員自らが警備業者に連絡し、依頼された作業を実施してよいかの指示を受ける。

出典
厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/index.html)
労働者派遣法が改正されました(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/)

参考
警備業者が顧客に交付する書面等(警視庁)(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/keibi/k_keibi/kokyaku/index.html)

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