雑踏警備業務2級検定項目
(令和版)
第3章 雑踏の整理に関すること
第2節 雑踏警備業務用資機材の使用方法 に関する専門的な知識
1 無線機の使用方法及び通話要領
- 機種によってスイッチの位置、機能などが異なるので、使用前に取扱説明書で確認すること。
- 一般的には、特定小電力トランシーバが使われている。
- 山間部や警備員相互の距離が遠い場合には、出力の大きい業務用携帯無線機や簡易業務用無線機が使用される。
⑴ 使用方法
- 通話時間の制限
- 特定小電力トランシーバは、 1回の通話時間は、「3分以内」と電波法で定められているため、3分を超えると自動的に終了する。約10秒前に警報音が鳴る。
- 1回の通話とは、2秒以上途切れることなく連続して通話した場合、送信、受信を合わせて3分間。
- 通話距離
- 通話距離は使用する機種や市街地、郊外、山間部などの周囲の状況によって異なる。
- く特定小電力トランシーバの場合〉
- 見通しの良い場所:1~2km
- 障害物がない平地、高架などが交差しない直線道路:500m程度
- 市街地:100~200m程度
- チャンネルの確認
- 事前に使用されていないチャンネルを確認し全員のチャンネルを合わせる。
⑵ 通話要領
- 無線機による通話は慣れることが大切。
- 突発的な事故発生の現場では、熟練者であっても的確な指示や報告に戸惑うことがある。
- 常に冷静な通語ができるよう訓練を積み重ねておくこと。
◯ 通話上の留意点
- 通話前にそれぞれのコールサインを決定しておく。
- 通話を行う際は、沈着冷静に行う。感情的になったり、興奮したりして、大声を発することのないようにする。
- 通話の速度は、日常会話の程度を基準とし、相手方の受信状態や通話の内容によって調整する。
- 通話の内容は、あらかじめ簡明にまとめておく。
- 聴取を確実に行い、応答遅延や受信もれ等を起こさないようにすること。
- 通話を始めようとするときは、通信中かどうかを確認する。通信中であるときは、至急通話の場合を除き、その通信が終了した後に行う。
- 自己の通信を他に優先するよう強要しないこと。
- 送信は、送信スイッチを押して1〜2秒たってから行うこと。
- マイクは、口元から5〜10cm離して、普通の大きさの声で話すこと。
- 呼出しに対する応答がないときは、いたずらに呼出しを繰り返すことなく、自身の機器のチャンネル、電源、音量、配線接続部等を確認する。
- 不感地帯を避けるほか、車両のエンジン音その他雑音による支障のない場所を選定する。また、ビルの谷間、山中のカーブなどでは、相互の電波到達距離が短くなることに注意する。
- 通話中に、しばらく相手を待たせなければならない場合は、いたずらに通信を独占しないで途中でいったん送信を中止し、他の隊員に通話の機会を与える。
- 送信が30秒以上にわたるときは、至急通話の割込みを容易にするため、約30秒ごとに2~3秒間、通話を停止する。
⑶ 雑踏警備業務時の通信例
- 警備隊本部:「警備員〇〇、警備員〇〇、こちらは警備隊本部どうぞ。」
- 警備員 :「警備隊本部、警備隊本部、こちらは〇〇どうぞ。」
- 警備隊本部:「会場内混雑のため、入場整列口を一時閉鎖のうえ、縦蛇行規制に変更せよ、どうぞ。」
- 警備員 :「縦蛇行規制への変更の件、了解。」
- ・・・・・・・縦蛇行規制に変更完了・・・
- 警備員 :「警備隊本部、警備隊本部、こちらは〇〇どうぞ。」
- 警備隊本部:「警備員〇〇、警備員〇〇、こちらは警備隊本部、どうぞ。」
- 警備員 :「縦蛇行規制への切替え完了、入場整列口を開放してよいか、どうぞ。」
- 警備隊本部:「切替え完了の件、了解。入場整列口を開放せよ、どうぞ。」
- 警備員 :「〇〇了解、それでは只今より入場整列口を開放します、どうぞ。」
- 警備隊本部:「入場整列口を開放の件、了解。」
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