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2号警備業務、民法2(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◉2号警備業務を適正に実施するための関係法令

◎ 民法

2、債務不履行

  • 「債権」= 特定の人に特定の行為や給付を請求できる権利のこと。ある人が他の人に対して一定の行為を請求することができる権利のこと。金銭の支払いを求めたり、物を受け取ったり、労力の提供を求めたりすることなどがあり債権を持つ権利者のことを、債権者と呼ぶ。
  • 「債務」= 特定の人に特定の行為や給付を提供しなくてはならない義務のこと。ある人が他の人に対して、一定の行為をしなければならない義務のこと。金銭の支払い、物の引き渡し、労力を提供することなどで債務を負担する人のことを、債務者と呼ぶ。
  • 債権も債務も契約の締結などによって生じることが多い。
  • 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときには、債権者は、その損害賠償を請求することができる、「債務の本旨に従った履行をしない」ことを債務不履行という。
  • 債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
  • 「責めに帰することができない事由」(帰責事由がない、帰責性がない)
    • 債務者の責めに帰することのできない事由による場合。
      • 不可抗力によるとき。(天災地変など人力ではどうすることもできないこと。外部から生じた障害で通常必要と認められる注意や予防方法を尽くしても防止し得ないもの)
      • 債権者の行為および債務者の支配の及ばない領域における第三者の行為によるとき。
      • 契約その他債務の発生原因に照らし、債務不履行を生じさせた原因が債務者の負担とされるべきでないとき。
  • 警備業者及び警備員が、警備契約(警備計画等を含む)で定められた手順を無視して業務を実施し、その結果契約先等に損害を与えた場合には、債務不履行として契約先から損害賠償を求められることになる。
  • 債務不履行の3つの型
    • 履行遅滞(期限がきても履行しない)
    • 履行不能(履行できない)
    • 不完全履行(不完全ながら履行した)
  • 損害賠償の方法については、民法第417条において、別段の意思表示がないときには、原則として、金銭をもって損害賠償の額を定めると規定している。
(債務不履行による損害賠償)
第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
 2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
  一 債務の履行が不能であるとき。
  二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
  三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
(損害賠償の方法)
第四百十七条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
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3、不法行為

  • 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
  • 「不法行為」= 故意又は過失によって他人の権利又は利益を侵害し、これによって他人に損害を生じさせる行為のこと。
  • 一般的不法行為の成立要件
    1. 加害者に責任能力があること(責任能力)
    2. 故意又は過失によること(故意・過失)
    3. 被害者の権利を侵害したこと(違法性)
    4. 損害が発生したこと(損害の発生)
    5. 行為と損害の間に因果関係があること(因果関係)
  • 「責任能力」= 自分の行為についての善し悪しを判断する能力のことをいう。
  • 刑法第41条は14歳に満たない者の行為の不処罰を定めている。14歳未満の者を一律に責任無能力者とすることにより、その処罰を控えている。14歳に満たない者で刑罰法令に触れる行為をした者は、少年法により審判に付され、保護処分を受けることになる。
  • 民法の不法行為における未成年者の責任能力は、事例において行為の種類および当該少年の成育度などを考慮し一般的には12歳ぐらいを基準として責任能力の有無が判断される。
  • 故意又は過失の存在は、民法の過失責任主義の建前からして当然であるが、故意と過失の区分による法的責任の差はない。ただし、特別法(製造物責任法など)によって無過失責任を負う場合もある。
  • 債務不履行と同様、不法行為によって他人に損害を与えたときは、その損害を賠償しなければならない。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(責任能力)
第七百十二条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
第七百十三条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。

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