雑踏警備業務2級検定項目
(令和版)
第3章 雑踏の整理に関すること
第4節 雑踏警備業務用資機材を使用して 雑踏の整理を行う専門的な能力
2 群集の整列の実施要領
⑴ 整列場所
- 整列は、群集の状況や周辺環境を考慮し適切な場所を選ぶこと。
◎ 整列場所を選ぶ場合に留意すべき事項
- 雨などの天候を考慮した場所を選ぶ。
- 夏場は、直射日光を避け、日陰になる場所を選ぶ。
- 冬場は、日当たりが良く、風が避けられる場所を選ぶ。
- 周辺交通の妨害にならないように注意する。
- 隣接している他の施設等の営業妨害にならないようにする。
- 車両と接触しないような安全な場所を選ぶ。
- 車両の排気ガスを考慮した場所を選ぶ。
⑵ 資機材の種類と使用方法
- 雑踏警備業務に使用する主な資機材
- セフティコーン、コーンバー、スタンション、フェンス、ネオンチュープ、ハンドロープ、 誘導灯、プラカード、無線機、拡声器、照明器具など。
- 資機材の使用は、警備計画書等に定められた数や方法で設置することが原則。
- 群集の状況変化等によって資機材の設置場所等を変更するほうが効果的と判断した場合は、警備隊本部へ連絡し、指示を受けてから対応すること。
- ハンドロープなどを使用して分断規制を行い混雑の解消を図ったり、夜間の転倒事故防止のため、照明等を有効的に活用する、また、限られた空間での資機材設置スペースなどを考慮し、より安全な活用を行う。
⑶ 整列の方法
◎ 入場時の整列方法
- 群集を整列させる場合には、誰もが理解しやすいようにすること。
- 先頭、最後尾、列の数などがわかりやすく理解しやすい状態であると心理的不満を軽減することができ、警備員の協力要請が聞き入れやすくなる。
◯ 整列方法の種類
① 直進方式
- 入場待ちの群集を2列や4列等で縦方向に整列させる方式。
- 整列する群集が理解しやすい方式。
- 一方向に長くなり、スペースを有効活用しにくい。
- 列の横側をロープ 等で適切に区画できない場合は、割込みが発生しやすい。
② 蛇行方式
- 入口に向かって縦方向に蛇行させる方式と、横方向に蛇行させる方式がある。
- 資機材を使用することで一定のスペースを有効活用することがでる。
- 群集にとっては、歩行距離が延び、入口に近づいたり、遠ざかったりという動きが生じるために疲労感を与えてしまう。
③ レーン等が複数ある場合
- 1つの入口であっても複数のレーンがあり、数名が同時に入場できる場合がある。
- レーンの数と列の数を同じにしておくことで円滑な入場が行える。
- 入り口のレーンに対して多い列を形成してしまうと、どこかのレーンで混雑が生じる。
- 整列場所のスペースが十分にあればレーンの数の整数倍の列数にしておき、最終的にレーンと同じ数に収束させていく方法も効果的である。その場合、資機材を使用し明確に収束を行わないと混雑が生じるため、広報と併用しながら的確な誘導を行うこと。
◎ 観覧時の整列方法
- ステージ等への観客の乱入防止が必要。
- 資機材を使用して立入り禁止区域を明確にするなど物理的な方法が有効。
- 状況によっては心理的な方法が効果的な場合もある。
- 心理的な方法の例は、観覧席に敷物を設置して観客を座らせるなど、前の人を押せないようにする方法がある。
⑷ 緊急動線の確保
- 群集や関係者が移動するために使用する経路のことを動線という。
- 一般的には、主動線、迂回動線、緊急動線などが設定される。
- 緊急動線とは、緊急事態が起きた場合に、関係者、警備員、警察官、救急隊員、医師、看護師等が使用する経路のことである。
- 整列の長さが20mを超えるような場合には、15〜20mごとに分断し、緊急動線を確保しなければならない。
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