雑踏警備業務2級検定項目
(令和版)
第4章 人の雑踏する場所における負傷等の事故が発生した場合における応急の措置に関すること
第1節 事故の発生時における警察機関その他の関係機関への連絡を行うため必要な事項に関する専門的な知識及び能力
1 事故発生時の把握すべき事項
◎ 警察・消防機関等への連絡の重要性
- 事件や事故が発生したときは、いち早く警察機関や消防機関に知らせる必要がある。
- 警備員はその業務の性格上、事件や事故に遭遇した場合に、周囲の人たちから積極的かつ迅速な連絡を行えることが期待される。
- 緊急事案発生時の連絡の適否は、その後の事件や事故の推移に大きな影響を与えることを十分に認識し、六何(ろっか)の原則に基づき簡潔、明瞭に関係機関へ通報すること。
- 警備員の報告により警備隊本部、契約先、警察機関等が事態を収束させる活動を開始するため、事故等が発生、又はおそれがあるときは、速やかに状況等を警備隊本部等へ即報する。
- 報告を受ける側が速やかにその事態を把握し、適切な対応をとれるよう具体的で正確な情報収集し報告を行う。
⑴ 事件や事故が発生した場合
◎雑踏警備現場で事件や事故が発生したときに把握すべき事項
- 発生場所、発生時間、発生状況、応援の必要性など。
-
上記に加えて、それぞれの事案に応じた把握すべき事項は、下記のとおり。
◯ 各事案の把握すべき事項
- 事件
- 犯人(加害者)、被害者、目撃者の有無
- 現場保存の必要性及びその範囲
- 犯人が逃走した場合は、人数、人相、着衣、特徴、逃走方向など
- 火災
- 燃焼物
- 燃焼の程度
- 負傷者の有無
- 逃げ遅れた者の人数
- 延焼の可能性
- 負傷者
- 負傷者の人数、負傷の程度
- 救急車の必要性
- 群集の状況(群集の流れ、群集の滞留など)
- 群集の状況により、将棋倒し、群集雪崩が発生した場合
- 過密の程度、過密状態となっている範囲
- 避難誘導の必要性
- 物の損壊
- 損壊の程度
- 損壊が原因による二次被害の有無
- その物の使用禁止措置の必要性
- 避難誘導の必要性
⑵ 事件や事故が発生するおそれがある場合
◯ 雑踏警備現場では具体的な事件や事故が発生していなくても、周囲の情報は把握しておく。
- 群集の過密状態
- 規制に反して勝手な行動をする者
- けんかや言い争いをしている者
- イベント会場付近で徘徊(はいかい)する野犬など
- 不自然な状態でたむろする集団
- 酒に酔っている者、泥酔者
- 不自然な行動をしている者
☆事件や事故が発生するおそれがあると思われる場合には必要な情報を収集し報告を行う。
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