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法令に関することⅧ、軽犯罪法(雑踏2級)

雑踏警備業務2級検定項目
(令和版)

第2章 法令に関すること

第2節 道路交通法、軽犯罪法その他雑踏警備業務の必要な法令に関する専門的な知識

軽犯罪法

◎ 概略的知識

  • 国民が安全かつ安心な日常生活を営むためには、最低限度の道徳規律を遵守し維持していく必要がある。
  • 軽犯罪法とは、これらの最低限の道徳規律を定め、違反した場合には比較的軽微な刑罰(拘留又は科料)を科すものとして刑法とは別に規定したもの。

◯ 雑踏警備業務を行ううえで密接に関係するもの

  • 第1号、潜伏の罪
    • 人が住んでおらず、かつ看守していない邸宅、建物又は船舶に正当な理由がなく潜む者
  • 第2号、凶器携帯の罪
    • 正当な理由がなく刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯する者
  • 第3号、侵入用具携帯の罪
    • 正当な理由がなく住居侵入に用いる侵入具を隠して携帯する者
    • 侵入具のうち「特殊開錠用具」のピッキング用具等を正当な理由なく所持していたり、「指定侵入工具」のドライバーやバールなどを正当な理由なく隠して携帯していた場合は、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」により、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる。
  • 第8号、変事非協力の罪
    • 風水害、地震、火事、交通事故、犯罪など変事に際し、正当な理由なく公務員等の指示や公務員からの協力要請に応じなかった者
  • 第9号、火気濫用の罪
    • 消火用の水などを用意しないで、可燃性のある場所や物の付近で火気を使用する者
  • 第13号後段、行列割り込み等の罪
    • 公共の場所で多数の人に乱暴な行動等で迷惑をかける者や行列への割り込みをする者
  • 第23号、のぞき見の罪
    • 人の住居、浴場、更衣場、便所等通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
  • 第26号、排せつ等の罪
    • 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、排せつ等をした者
  • 第28号、追随等の罪
    • 他人の進路に立ち塞がる行為
    • 他人の身辺に複数人で群がって立ち退かない行為
    • 不安や迷惑を覚えさせるような仕方で、つきまとう行為
  • 第31号、業務妨害の罪
    • 他人の業務に対していたずらなどで妨害した者
  • 第32号、田畑等侵入の罪
    • 入園時間外の公園等に入った者や自由に出入りできる田畑に正当な理由なく入った者
  • 第33号、はり札・標示物除去等の罪
    • 他人の家屋、建築物等に許可なくはり紙をしたり、看板などの標示物を取り除いたり汚したりした者
  • 軽犯罪法は軽微な罪を規定しているものであり、その行為をしている者を直ちに現行犯逮捕することはできない。
  • 刑事訴訟法第217条の規定により、30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に当たる罪については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限って、現行犯逮捕が許される。 

 

  • 第4条
    • 軽犯罪法を適用するに当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用してはならない。
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軽犯罪法(抜粋)
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
  一 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
  二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
  三 正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
  五 公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者
  六 正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消した者
  八 風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかつた者
  九 相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者
  十三 公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者
  十四 公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者
  二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
  二十四 公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者
  二十五 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
  二十六 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者
  二十八 他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者
  二十九 他人の身体に対して害を加えることを共謀した者の誰かがその共謀に係る行為の予備行為をした場合における共謀者
  三十一 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者
  三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者
  三十三 みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者
第四条 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

関連問題

次は、雑踏の整理に関することⅠ、雑踏警備業務の基本(雑踏2級)

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