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未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル「警備業編」10、リスクアセスメント

警備員指導教育責任者2号業務

「未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル、警備業編」より

第1章 未熟練労働者に対する安全衛生教育
(安全衛生担当者用)令和2年3月

第Ⅱ 未熟練労働者に対する安全衛生教育の流れ

3. 災害防止の基本を教える(その1)【安全衛生のルールや活動の意義を理解させる】

(6) リスクアセスメントの実施

職場にある「危険性又は有害性(ハザード、警備業の場合は「転倒」や「車両との接触」など)」を特定し、
それらのハザードが実際に起こり得るのか(起こる可能性)、
起こったとしたらどのような怪我(命にかかわる怪我なのか、かすり傷なのかなど)になり得るのか(重篤度)からリスクの程度を見積もり(リスクがどの程度大きいのか或いは小さいのか)、
リスクに基づいた対策を講じることによって、潜在的なハザードを取り除き、安全を先取りすることが可能となります。

ア. リスクアセスメントの基礎
リスクアセスメントとは、事業者自らが業務や職場に潜むハザード(危険性又は有害性)を特定し、それらのハザードが実際に顕在化した場合、労働災害(怪我や健康障害など)の重篤度(怪我や健康障害の程度)とその災害が発生する可能性を組み合わせてリスクの程度を見積り、リスクに基づいて対策の優先度を決めた上で、リスクの低減措置(災害防止対策)を検討し、その結果を記録、共有する一連の安全衛生管理手法です。

リスクアセスメントは、災害が発生する前に危険などを摘み取る労働災害防止のための予防的手段(先取り型)であり、
従来までの自社で発生した(他社で発生した)労働災害から学び、労働災害発生後に行う事後対策(後追い型)とは異なる取組みです。

**リスクアセスメントの主な特徴**
① ハザードを体系的に整理できる。
業務内容(警備計画)が変更される時などに、業務や職場に潜むハザードを体系的に特定するのに有効な手段です。

② 優先順位を明確にできる。
特定したハザードとそれが顕在化する可能性からリスクの程度を見積もることで、対策を講じるための優先順位を明確にできます。

③ 経営資材の投入の判断材料になる。
優先順位が明確になることで、限られたリソースを効率よく投入する(対策を講じる)ことが可能となり、安全衛生管理面だけではなく経営面での判断にも有効です。

④ ハザードやリスクの共有化につながる。
リスクアセスメントの結果を記録することで、警備会社・契約先間だけではなく、警備員間でもどのようなハザードが潜んでおり、どの程度リスクがあり、どのような対策が必要かなど、安全な警備の実施上重要な情報が円滑に共有されます。

イ. リスクアセスメントの進め方
リスクアセスメントの手順(イメージ)

*詳細は、中央労働災害防止協会「警備業における労働災害防止のためのガイドライン」などを参照してください。
・中央労働災害防止協会(http://www.jisha.or.jp)
・調査・研究、調査研究概要、「警備業における労働災害防止のためのガイドライン」(https://www.jisha.or.jp/research/report/201303_02.html)

出典
厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/index.html)
未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118557.html)
警備業向け_安全衛生教育マニュアル(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/000611912.pdf)を加工して作成
令和3年1月現在

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未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル

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