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法令に関することⅣ、刑事訴訟法(交通2級)

交通誘導警備業務2級検定項目
(令和版)

第2章 法令に関すること

第1節 法その他警備業務の実施の適正を確保するため必要な法令に関する専門的な知識

4 刑事訴訟法

◯ 現行犯逮捕についての概略的知識

  • 警備員は、他の業務に比べて犯罪に接する機会が多い。
  • 現行犯逮捕等に関する刑事訴訟法の規定を十分に理解し、不当に他人の権利を侵害することのないよう配慮すること。

⑴ 現行犯人

第二百十二条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。

 ② 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
 一 犯人として追呼されているとき。
 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
 誰何されて逃走しようとするとき。

◯ 第1項について

*「現に罪を行い」とは

  • 犯罪を現在実行しているという意味。
  • 犯罪の実行行為に着手し、それを遂行しつつあり、いまだ終了に至らない場合である。
  • 未遂について処罰規定のない罪については、未遂の段階では犯罪の実行行為中とは認められない。

*「罪」とは

  • 特定の罪(窃盗、傷害等)を指す。
  • 単なる「不審者」であり、何らかの罪を犯している疑いがあるだけでは不十分で、現行犯人とはいえない。

*「現に罪を行い終わった」とは

  • 犯罪行為終了直後を指す。
  • 直後の範囲は機械的に何時間と決めることはできず、具体的状況に応じて判断される。

*「現行犯人とする」
・第1項に該当するものが「現行犯人」です。

◯ 第2項について
*「これを現行犯人とみなす」→ 「準現行犯人」と言う。

第1号 犯人として追いかけられている。

「追呼(ついこ)」とは、

  • 犯罪終了直後から「泥棒〜〜!」「待て〜」などと追いかけられている。
  • 犯人として追跡されている。

第2号 盗んだもの、犯罪に使用した凶器などを持っている。

第3号 身体や衣服に、犯罪の明らかな証拠となる痕跡がある。

第4号 尋ねかけられるやいなや、走って逃走する。

「誰何(すいか)」とは、

  • 相手が何者かわからないときに、呼びとめて問いただすこと。
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⑵ 現行犯逮捕

第二百十三条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

*「逮捕」とは

  • 人の身体を直接に束縛して自由を拘束すること。
  • 逮捕者が被逮捕者の身体に寄り添って看視し、いつでもその身体を捕捉できる態勢をとり、その逃走を防止する方法等によって自由を拘束する場合も逮捕したことになる。
  • 逮捕に際しては、当然ある程度の実力行使が許されている。
  • 実力行使には限界があり、犯人の挙動、具体的状況に応じ、社会通念上妥当な方法をとる。

⑶ 現行犯人を逮捕した場合の処置

第二百十四条 検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。

  • 現行犯人を逮捕する権限は、一般私人にも与えられている。
  • 逮捕行為が許されているだけであり、取調べ、身体捜検、所持品検査等を行う権限は認められていない。
  • 犯人を逮捕した場合は、直ちに警察官に引き渡さなければならない。 

関連問題

問題14、現行犯人(交通2級)

問題130、刑事訴訟法(交通2級)

問題131、刑事訴訟法(交通2級)

次は、法令に関することⅤ、警察官職務執行法(交通2級)

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