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雑踏警備業務7「群集の動線」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◎群集の動線
「動線」ーーーー群衆が移動する経路を線で表したもの。
「主動線」ーーー多くの群衆が使用する動線
「補助動線」ーー少数しか使用しない動線、主動線だけでは足りない場合に使用する動線
「連絡動線」ーー主要場所同士を結ぶ動線
「VIP動線」ーーVIPの専用動線
「緊急動線」ーー緊急時に使用する動線

○群集動線の決定要素
・日本人の場合、人間が歩行する場合は左側通行となる、近道行動をとる、蛇行するという行動特性がある。
・群衆が目的の入り口等に向かっている場合、最短距離の銅線を設定せず、入り口前のスペースで蛇行させそれほど遠く感じさせない工夫をするような方法が安全である。
・過密となるか否かは、動線となる歩行空間及び滞留すると予想される場所における面積と、そこに集まると予想される群集の数によって算出する。
・適正な主動線及び補助動線等を設定し、その上に連絡動線やVIP動線、緊急動線等を重ね合わせ、不都合な部分を調整し全体の基本動線を決定する。

○動線上の障害等
・可能な限り取り除いて置くなど、事前に対策を講じる。
①.動線上における群集の滞留
・一部の群衆が立ち止まるなどをし、その場所の群衆密度が過密になる。
②.ボトルネック
・動線の幅が減少し、すぼまっている。
③.障害物
・経路上にある植木やモニュメント、据置の看板など。

○群集密度の変化に応じた動線の切替え
・迂回動線を設け、その切替えによって主動線上の群集密度を低下させる。

○迂回動線の確保
・主動線上になんらかの支障や危険が生じた場合、あらかじめ定められた迂回動線に迂回させる。

○群集密度の変化に応じた規制
・迂回動線がない場合は、進入路入口で分断による進入規制を行う。
・入場規制を行うとともに、入退場をそれぞれ一方向に誘導しスムーズな流れを作る。

○流動する群集の停止及び分断
・安全確保の原則、「流動している群集を急に止めるな」、「停止している群集を急に動かすな」
・群集の後方から広報を開始、前方が混雑して危険であるため先頭を一時停止させる旨及び前の人を押さない旨を周知徹底したうえで、その先頭に停止をかける。

○混雑の緩和措置
・「前方が混雑している」「ゆっくり進む」「立ち止まらない」「前の人との間隔を保つ」などの広報を徹底。

○群集の交差
・一方の動線を停止(分断規制)させ、他方の動線を流動させるという整理方法を交互にとる。
・群集の後方から広報を開始し、先頭の群集が安全に停止できるよう広報を徹底する。

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○群集の歩行速度
・群集状態での歩行は群集密度により歩行速度を厳しく制約する。
・気象条件、道路条件、個々の身体的条件等により差が生じる。
・地方都市に比べ大都市の方が歩行速度が速い。
 ア 平坦路
 ・男性の単独平均歩行速度は1.4m /秒、女性が1.2m / 秒、平均値は1.3m /秒
 イ 斜道
 ・勾配4度の斜道:水平歩行速度に近い
 ・勾配7度の斜道:上行の歩行速度は低下、下行の歩行速度は上昇
 ・勾配15度以上:上行、下行共に低下する
 ・実質では9度付近が歩行にとって有効な勾配
 ウ 階段
 ・群集歩行は、階段の上行と下行とで著しく異なった傾向
 ・上りは段位置を見定めやすく下りは段位置を見定め難い、高所から下りる不安・危険感を伴う。

○群集密度と歩行速度
・群集の歩行速度は密度によって異なり、 1.4人/㎡まで1 m /秒、 4人/㎡超は平均0.1m /秒

☆1分間に80m進むことができる人が、2人/㎡の場合は約50m、3人/㎡の場合は約25m、4人/㎡の場合では10m以下になる。
・災害時の避難の際における群集密度と歩行速度
① 群集密度0.5人/㎡は街路上としては相当な混雑状態
② 群集密度1.5人/㎡では強制された整流状態、非常時にこの密度を設定することは極めて危険
・アーチアクション:狭い出入口等へ多数が殺到した場合、すべての人が通過しようとしているのに、相互に他人の体が邪魔をして押し合う結果となり、だれ一人として通過できなくなる
・整列をさせる場合、一定の場所に収容可能な人数を算出する際の密度は3.5人/㎡程度を標準
・人間1人の占めるスペース縦(前後)40㎝、横(左右)70㎝

☆一般的に群集動線において、2人/㎡が安全を確保するうえでの限界密度とされる場合が多い。

☆混雑状態と群衆密度
・人が通常に歩行や散策をする場合の快適であると感じる群集の密度は、0.5人/㎡以下
・1人/㎡ ( 10メートル平方の場所に100人)の密度になると、人が大勢いるという印象を受ける
・2人/㎡程度までは、その群集が流動しているとき、ほとんどの人が危険を感じない状態
・3人/㎡になると、その群集が流動しているとき、ほとんどの人が混雑を感じる
・4人/㎡は、エレベータ満員状態であり、入場待ちの行列等停止している安全確保上の限界密度

☆7人/㎡に達すると、1秒間に10cm程度しか進むことができない

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