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雑踏警備業務11「雑踏警備業務用資機材」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

雑踏警備業務を適正に実施するために使用する各種資機材の使用方法

1 雑踏警備業務用資機材の種類
 ① 現場に設置する資機材
 ② 警備員が身につけて使用するその他の資機材

⑴ 現場に設置する資機材
・保安柵、フェンス、セフティコーン、スタンション、ロープ、立看板、放送設備等

⑵ その他の資機材
・拡声器、無線機、プラカード等

2 雑踏警備業務用資機材の設置上の留意事項
①群集の密集を予想し、広報や誘導が必要な場所において、整列規制、分断規制、迂回措置、通行禁止措置等の規制や案内のために設置する。
②設置に当たっては、群集が特定の場所に押し寄せた場合や群集の動線が曲がっている場合には、思わぬ方向に巨大な圧力が発生するので、特に注意が必要。
③様々な状況を考慮して群集圧力の分散や緩和を図るよう、適切な場所及び方法で資機材を設置する。
④使用する資機材の選定には、予想される群集圧力を考慮し、セフティコーン、保安柵、フェンス、埋込式のスタンションや鉄柵等を適切に選定する。
⑤その他、立看板、垂れ幕、プラカード、拡声器、チラシ、放送設備等の資機材を使用し、適切な整理・案内によって群集を安全に誘導する。
⑥設置時には、路面の凹凸やぬかるみなどがなく、転倒するおそれのない場所に設置する。
⑦強風等によって転倒しないよう土嚢(どのう)の設置、パイプ等による固定、その他必要な措置を講じる。
⑧夜間は、反射加工を施した資機材、あるいは十分な照度の照明灯を設置する。

3 携帯用無線機の構造、機能及び使用方法
*携帯用無線機の機種
・携帯用無線機(トランシーバー・インカム)には、免許申請、登録申請が必要なものと不要なものがある。
・免許不要なのは特定小電力トランシーバー(送信出力10mW、1mW)で、一般的に警備員が日常使用している。
・そのほかにデジタル小電力コミュニティ無線(送信出力500mW)もある。
・免許が必要なトランシーバーは「簡易業務用無線機(免許局)」
・登録が必要なトランシーバーは「簡易業務用無線機(登録局)」

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4 特定小電力トランシーバーについて
⑴ 準備
・電源スイッチON
・バッテリー残量チェック
・音量を調整
・通話チャンネル確認

⑵送信、受信
・送信の確認
・送信はスイッチを押して1〜2秒経ってから行う。
・送信スイッチを押しマイクを口から5〜10㎝離して、普通の大きさの声で話す。
・受信の確認

⑶通話時間の制限
・特定小電力の通話時間は、10mW機は3分間、1mW機は無制限と電波法で決められている。
・通話時間が3分を超えると自動的に終了するが、その約10秒前に警告音が鳴る。

⑷業務終了時
・相手に使用をやめることを連絡後、電源スイッチを切る。

⑸通話距離
・通話距離は周囲の状況によって異なる。
・市街地・・・100〜500m
・見通しの良い場所・・・1〜2Km
・近くにWiFi機器や自動販売機、車のナビゲーションシステム、電車その他、などが原因で雑音が入りやすくなることに留意する。

⑹その他使用上の留意事項
・こまめな電池残量チェックと早めの電池の交換。
・無線機による通話は、多くの機会を捉えて、通話に「慣れる」こと。
・突発的な事案が発生した現場では、熟練者であっても的確な指令や報告にとまどってしまうことがある。拙劣(せつれつ)な通話は、単に、本人の意思が相手に正確に伝わらないだけでなく、他局の通信を阻害し、ひいては、警備業務に重大な影響を及ばすことになるので、常に冷静な通話ができるよう、訓練を積み重ねておくこと。
・通話を行う際は、沈着冷静を旨とし、感情に走り、あるいは興奮していたずらに高声を発することのないように留意する。
・聴取を確実に励行し、応答遅延や受信漏れ等を起こさないように留意する。
・自己の通信をほかに優先するよう強要しない。
・通話の速度は、日常会話の程度を基準とし、相手方の受信状態や通話の内容によって調整する。
・通話の内容は、あらかじめ簡明にまとめておく。
・通話を始めようとするときは、他の局が通信中かどうかを確認する。通信中であるときは、至急通信の場合を除きその通信が終了した後で行う。
・呼出しに対する応答がないときは、いたずらに呼出しを繰り返さないで機器に異常がないかを点検する。
・通話前にそれぞれのコールサインを決定しておく。
・強い電波ノイズが混入して、よく話が聞き取れない場合には、電波状態の良好な場所を探す。
・通話中に、相手を待たせなければならない場合は、電波を独占せず一旦送信を中止し、他の局に通信の機会を与える。
・送信が30秒以上にわたるときは、至急通話の割込み等を容易にするため、約30秒ごとに2~3秒間、発信を停止する。

⑺通信区分等
・無線通信は、通常時の通信と緊急時の通信とに区別される。
・緊急時の通信とは、事故等が発生したとき又はそのおそれがあるときなどに行われるもので、定時報告等の通常の通信に優先して行われる。
・それぞれの通話要領を事前に十分訓練し適切に行う。

5 ロープ等を使用した緊急時の規制方法
・雑踏警備現場において、最も手軽で効果的に活用できる物としては、ロープ、保安柵、セフティコーンなどがある。
・広報や誘導の案内板として活用できるものも必要。
・緊急時に必要な規制を行う場合を想定して、エリアごとにセフティコーンやコーンパー等の規制用資機材を用意しておく。
・資機材は、簡単に持ち運べて効果的に活用できるものがよい。

【例】 歩行者専用道の動線上で事故が発生した場合の、口一プ等による緊急時の規制方法
① 事故が発生したため、これから先への通行を禁止する旨の広報を行う。
② セフティコーン又は保安柵を一定の間隔に並べる。
③ セフティコーン又は保安柵間をロープで結び、進入禁止の規制を行う。
④ 広報板に必要な事項を記載し、規制の趣旨及び迂回案内を行う。
⑤ 拡声器を使用し、規制の趣旨及び迂回への協力依頼の広報を行う。

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