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施設管理権の行使、関係者との連携

施設管理権の行使

⑴ 施設管理権の発動

  • 警備業者又は警備員が警備業務の現場において一定の権限を持つ場合があるが、それは契約先等が持つ施設管理権の全部又は一部の委託を受けているからと解釈されている。
  • 雑踏警備現場において、警備員が群集を対象に入場制限を行ったり、整列させたり、立入禁止の措置を講じて部外者をその場から立ち退かせたりする権限行為は、本来、契約者等が行うべき管理規制行為を警備員が代行しているに過ぎない。
  • 警備員が行う権限行為は、契約者等の施設管理権の及ぶ範囲で、かつ、警備契約によって警備員に委託された範囲内に限られる。

⑵ 権限行使の限界

  • 施設管理権が及ばない範囲では、 一般人と何ら変わることがない。
  • 施設管理権が及ぶ範囲内であれば、どのような行為でも許されるということではない。
  • 不法行為者に対して、現行犯逮捕、正当防衛、緊急避難等、法令行為を適法に行う場合を除き、特別な権限を持たない警備員等が実力を行使できる範囲は自ずから限定される。
  • 施設管理権が及ぶ範囲内でも特別な権限を有しない警備員は、その権限行使の限界を明確に認識しておくこと。

◎ 関係者との連携

⑴ 指揮命令系統の確立

  • 雑踏警備現場における情報伝達及び連携系統は、大きく分けて二つ。
    1. 契約先、警察、消防、その他の関係機関との情報伝達及び連携。
    2. 警備業務を実施する警備隊組織内における情報伝達及び連携である。

◯ 契約先等との連携

  • 契約先からは、警備契約に基づく発注者としての指示や依頼。
  • 警察、消防、その他の関係機関からは、一般市民への危険回避や公共の安全確保のための、指示・命令その他の依頼。
  • 連携方法については、事前に十分協議し、雑踏警備業務実施に関するすべての情報を警備隊本部が一元的に管理するため、原則として警備隊本部が連絡・通報担当窓口及び担当者を定めて行う。

◯ 警備隊内での連携

  • 警備隊本部を設置し、そこに警備隊隊長を置き、警備隊内での連携(指揮命令)については、警備隊本部(隊長)へすべての情報が集約される体制をとる。
  • 警備隊本部がすべての事案に対して適切な判断を行い、本部からの指示・命令が、現場のすべての警備員に迅速かつ確実に伝達される体制を構築することにより、適切な組織活動による適正な警備業務の実施が確保される。

⑵ アルバイト要員、ボランティア要員等との連携

  • 警備員以外に案内誘導要員として、アルバイトやボランティアが参加することもある。
  • 主催者が地方公共団体等の場合には、公務員である職員が案内誘導要員として参加する場合もある。
  • ボランティア等が行う業務と警備員が行う警備業務との関連を明確にする。
  • ボランティア等が現場での警備員と密接な連携が必要となる場合、警備業者から主催者側に積極的に教育の必要性を強調し、警備員教育と同等程度の教育を実施してもらうなど、適切な対策が必要な場合もある。

*この項目は警察庁の検定出題範囲には無い項目ですが、手引書(平成)には残っていますのでまとめてみました、平成版として掲載しています。

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