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法令に関することⅥ、遺失物法1(交通2級)

交通誘導警備業務2級検定項目
(令和版)

第2章 法令に関すること

第1節 法その他警備業務の実施の適正を確保するため必要な法令に関する専門的な知識

6 遺失物法

◯拾得者の措置等についての概略的知識

遺失物法に定められた処理手続きを十分に理解し、適切な対応に努めること。 

⑴ 用語の定義(第2条) 
「物件」とは

  • 遺失物
  • 埋蔵物
  • 準遺失物

「遺失物」とは

  • 他人が占有していた物であって、その人の意思に基づかず、かつ奪取によらず、当該他人が占有を失ったもので、それを発見した者の占有に属していないもの。
  • 逸走した家畜、家畜以外の動物及び埋蔵物を除く。

「埋蔵物」とは

  • 他人が占有していた物であって、その他人の意思に基づくか否かにかかわらず、土地その他の物(不動産に限らない)の中に包蔵(内部にもっていること。包み隠していること)され、その他人が占有を失ったもので、所有者が誰であるか容易に識別できないもの。

「準遺失物」とは

  • 誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜。

「遺失者」とは

  • 物件の占有をしていた者をいい、その物件の所有者のほか、物件を預かっていた者及び使用していた者等も含む。 

「施設」とは

  • 建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他移動施設を含む)であって、その管理に当たる者が常駐するもの。

「管理に当たる者」とは

  • 店員、駅員、職員等、その施設で人の出入り等の管理に係る職務に従事する者を広くいい、警備員もこれに該当する。

「施設占有者」とは

  • 施設を自己のためにする意志(民法第180条)を持って事実上支配していると認められる者のことをいい、駅や鉄道車両であれば鉄道事業者、商店であれば商店主が施設占有者に該当する。
  • 警備業務に関していえば、施設の所有者や警備業務の契約先等がこれに該当する。
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⑵ 拾得者の義務、施設占有者の義務(第4条及び第13条等)

◯ー般の場所での拾得

  • 一般の場所において物件を拾得した場合は、速やかに遺失者に返還するか、警察署長に提出すること。
  • 警察署の窓口や交番等に提出すれば「警察署長に提出した」ことになる。

◯施設での拾得

*施設において警備業務に従事する警備員の場合、その施設の勤務者であり、施設占有者を代行して拾得された物件を預かることもある。

  • 施設において物件を拾得した場合は、速やかに施設占有者に交付すること。
  • その施設の勤務者等に交付すれば「施設占有者に交付した」ことになる。
  • 施設占有者以外の勤務者等が施設内において物件を拾得した場合は、その施設占有者が拾得者になる。
  • 不特定多数の者が利用する施設の施設占有者が、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を掲示しなければならない。
  • 上記の掲示に代えて、必要事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させる方法により行うこともできる。

◯法令の規定によってその所持が禁止されている物件等の取扱い

・銃砲刀剣類、火薬、爆薬、麻薬、毒物及び劇物等は、法令の規定によって、一般的に私人が所持することが禁止されているので、拾得者又はその物件の交付を受けた施設占有者は遺失者に返還しないで警察署長に提出すること。

⑶ 特例施設占有者の義務(第17条及び第22条)

「特例施設占有者」とは

  • 一定の公共交通機関、鉄道、路線バス、乗合タクシー、旅客船、旅客機などの事業に利用する施設に係る施設占有者。
  • 百貨店、遊園地その他の不特定かつ多数の者が利用する施設に係る施設占有者。

☆特例施設占有者は交付を受けた物件を警察署長に提出するか、又は自ら保管するかを判断し、選択することができる。

ア、保管に関する義務

  • 特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。 

イ、返還に関する義務

  • 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
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(定義)
第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。
 2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。
  この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。
  この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。
  この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。
  この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。
 第一節 拾得者の義務
第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
 2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。
 3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第三項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。
(施設占有者の義務等)
第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
 2 前節の規定は、警察署長が前項の規定による提出を受けた場合について準用する。この場合において、第五条中「前条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、「拾得者」とあるのは「施設占有者」と、第十一条第二項中「拾得者の同意」とあるのは「拾得者又は施設占有者の同意」と、「拾得者の氏名」とあるのは「その同意をした拾得者又は施設占有者の氏名」と、同条第三項中「拾得者」とあるのは「拾得者又は施設占有者」と読み替えるものとする。
(特例施設占有者に係る提出の免除)
第十七条 前条第一項の施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く。)を第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところにより当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。この場合において、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。
(特例施設占有者による返還時の措置)
第二十二条 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
 2 特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。
 3 特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。

関連問題

問題16、遺失物法(交通2級)

問題133、遺失物法(交通2級)

問題134、遺失物法(交通2級)

問題135、遺失物関する警備員の対応(交通2級)

次は、法令に関することⅦ、遺失物法2(交通2級)

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