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交通誘導警備業務8「交通誘導警備業務実施のための保安用資機材」(指教責実務)

警備員指導教育責任者2号業務

◉交通誘導警備業務を適正に実施するために使用する各種資機材の使用方法

・交通誘導警備業務用資機材は、保安用資機材とその他の資機材とに分けられる。

1.保安用資機材とは

・保安柵、工事用バリケード、セフティコーン、コーンバー、矢印板、回転灯、各種標示看板、クッションドラム、スポット照明灯、ネオンチュープ等。
・誘導ロポット、発電機、車線規制用標識車両、大型セフティコーン等(主に自動車専用道路等で使用)。

*「クッションドラム」
・車両等の衝突時の衝撃を緩和する。
・高速道路等の分岐点や長期にわたる車線規制時の誘導帯として用いられている。
・ドラム内には水袋が入れて衝撃を吸収する。
・縦方向に厚く設置することで衝突時の衝撃をより緩和する。

*「工事用信号機」
・公安委員会が法令によって設置するものとは異なり、あくまでも道路工事等の施工者が安全性を期すために任意に設置される。
・一般的には危険防止のため、警備員の誘導と併用される。

2.その他の資機材とは

・警備員が携帯して使用する、手旗、トランシーバー等。

・無線機は、一般的には、免許、資格等が不要の特定小電力トランシーバが使われている。
・山間部や警備員相互の距離が遠い場合には、出力の大きい業務用携帯無線機や簡易業務用携帯無線機(電波法による規制対象となることに注意)が使用される。

(1) 通話の際は沈着冷静を心がけ、感情的になったり、興奮して高声を発することのないように留意する。

(2) 聞き取りを確実に行い、応答遅延や受信漏れ等を起こさないように留意する。

(3) 自己の通信を他に優先するよう強要しない。

(4) 送信は送信スイッチを押して1~2秒経ってから行う。

(5) マイクは、ロから5~10センチメートル離して、普通の大きさの声で話す。

(6) 通話の速度は、日常会話の程度を基準とし、 相手方の受信状態や通話の内容によって調整する。

(7) 通話の内容は、あらかじめ簡明にまとめておく。

(8) 通話を始めようとするときは、他の局が通信中かどうかを確認する。もし、通信中であるときは、至急通信の場合を除き、その通信が終了した後で行う。

(9) 呼出しに対する応答がないときは、いたずらに呼出しを繰り返さないで自身の機器に異常がないかを点検する。

(10) 通話前にそれぞれのコールサインを決定しておく。

(11) 高圧線、高架線、ネオンサインの近く又は自動車やオートバイの往来が激しい道路等では、強い電波ノイズが混入して、よく話が聞き取れないことがある。

(12) ノイズが多い場合には、その場から少し離れるとよくなる。また、相手との間に障害物がある場合、相互の電波到達距離が短くなる。

(13) 通話中に、しばらく相手を待たせなければならない場合は、いたずらに電波を独占せず途中で一旦送信を中止し、他の局に通信の機会を与える。

(14) 送信が30秒以上にわたるときは、至急通話の割込み等を容易にするため、約30秒ごとに2~3秒間、送信を停止する。

3.保安用資機材の設置等

(1) 保安用資機材の設置は道路使用許可証に付された条件を遵守する。「工事予告」標示板は原則として工事現場の手前50メートルから250メートルの道路上の左側に設置、自動車専用道路等においても指定された場所に設置。

(2) 保安用資機材の設置は通行する車両の進行方向(起点)から始め、撤去する場合は進行方向の逆の地点(終点)から行う。

(3) 交通流に対面する起点側の保安用資機材と中央線との角度は、車両の安全な通行を確保するためおおむね15度となるように設置することが望ましい。道降状況や周辺の状況等によって30度~45度程度の場合もある。自動車専用道路等においては、おおむね1度~ 3度が一般的である。

(4) 交通流に対面する起点側の保安用資機材は隙間なく並べて仕切るが、対面しない側(中央線上等)の保安用資機材は適当な間隔を空けて配列してもよい。

(5) 「工事中」及び「工事説明」等の各種標示板は、工事区間の起点と終点に設置する。

(6) 保安用資機材が強風や車両通過時の風圧によって転倒しないよう、土嚢(のう)の設置やパイプ等による固定その他必要な安全な措置を講じる。

(7) 夜間は回転灯や内照式セフティコーン、スポット照明灯など反射加工を施した保安用資機材を設置する。

(8) 自動車専用道路等においては、発炎筒の使用や警戒員の配置、警戒標識車両を配置するなどの安全対策を講じる。


4.歩行者用通路の設置要領

(1) 歩行者用通路は、道路の凹凸やぬかるみがなく転倒するおそれのない場所に設置。

(2) 歩行者用通路は、落下物等、危険なおそれのある場所を避けて確保。

(3) 保安柵やセフティコーン、コーンバー等によって、十分な幅員(通常1.5mやむを得ない場合でも0.75m以上)の歩行者用通路を確保。

(4) 作業現場との境界は、保安用資機材を隙間なく並べて仕切るとともに、風圧等で動くことがないよう安全な措置を講じる。

(5) 歩行者用通路の起点と終点の見やすい場所に、「歩行者用通路」、「矢印」等の標示板を設置。

(6) 夜間は十分な照明を点灯し、標示板や歩行者用通路が周囲からよく見えるようにする。

5.交通誘導警備業務用資機材

(1) 点検と保管
・日常点検
・故障や腐食による劣化を防げる場所に保管し、長期間使用しない場合でも、定期的な点検が必要。

(2) 現場における資機材の点検
・警備員の交通誘導警備実施中は、自分の身を守る保安用資機材でもあるので、始業前点検、終業後の点検のほか、中間時の定時点検行う。


6.交通誘導警備業務用資機材の使用上の留意点

・所轄警察署長の道路使用許可条件がある場合には、関係者はその内容を遵守。
・道路工事に伴う道路使用許可の条件には、必ず保安用資機材の配置について記載。
・保安要員(交通誘導員等)配置を規定、携帯すべき資機材、昼間は手旗、夜間は誘導灯義務付場合ある。手旗の色や大きさ、本数などを指定している場合もある。
・保安要員の行うべき作業としてい路面や保安用資機材の整備などが記載されていることもあるので事前に許可条件を確認し業務の範囲を明確にしておく。  

7.現場情勢の変化に即応した効果的な資機材の配置転換等の措置

(1) 天候の変化
・天候の変化が予想される場合には、ロープ、土嚢(どのう)等で厳重に資機材を補強する。

(2) 異常事態の発生時
・警察官等に協力して警備員が被害の拡大防止や二次的被害を防止する。
・警備員は自己の配置箇所、又はその付近の交通規制状況の把握に努め適切な広報、誘導等を行う。
・負傷者の救護、現場保存等の措置が適切に講じられるように配意する。

当ブログ、関連リンク
交通誘導警備業務用資機材の種類、機能及び使用方法1(交通2級)
交通誘導警備業務用資機材の種類、機能及び使用方法2・無線機の使用方法、通話要領・道路使用許可(交通2級)
交通誘導警備業務用資機材の種類、機能及び使用方法3・保安用資機材の設置(交通2級)
交通誘導警備業務用資機材を使用した道路における危険防止措置要領(交通2級)
交通誘導警備業務用資機材の点検及び整備(交通2級)
交通誘導警備業務用資機材の使用用途及び機能
特定小電力トランシーバーについて(含む、資機材の点検と整備)

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