雑踏警備業務2級検定項目
(令和版)
第3章 雑踏の整理に関すること
第3節 人の誘導その他の雑踏の整理を行うため必要な事項に関する専門的 な知識
3 規制広報の重要性及び実施上の留意事項
⑴ 広報の意義と重要性
- 雑踏警備業務における「広報」とは、群集に対して必要な情報を的確に伝達すること。
- 的確な広報は、群集心理の安定につながり、不的確な広報は不満や不安感が高まる。
- 群集が不満を感じる原因には、温度、明暗、設備、構造などの物理的環境によって生じる物理的不満や情報不足によって生じる心理的不満等様々なものがある。
- 雑踏事故を未然に防止するためには、的確な広報によって心理的不満の解消に努めること。
⑵ 広報の事前準備
- 契約先や警察機関等と事前に打合せを行い、広報に関する方針、具体的実施要領等についての意思統一を図っておく。
- 広報文は、あらかじめ契約先等との協議により作成されることが基本。
- 警備員は作成された広報実施要領について、事前の確認と訓練を徹底して行うこと。
⑶ 広報の手段
- 雑踏警備現場における広報には、言葉で伝える方法と看板等を使用する方法がある。
- 看板を使用する場合は環境に応じた対策が必要。
- 拡声器
- 拡声器は、多くの人に情報を伝える手段として最も一般的。
- 使用する際は、音声の到達距離、拡声器の向き等を考慮すること。
- 使用する際には、音声が迷惑とならないよう、付近住民等への配慮が必要。
- プラカード
- プラカードは、警備員等が所持し、最後尾や待ち時間などの必要な情報を伝える場合のほか、順路や迂回方向の案内などを行うために用いられる。
- 方向を示すプラカードを使用する場合は、向 きにより、案内方向が大きく変わることに注意する。
- 看板
- 看板は、単純な誘導や案内に使用。
- 通行の妨げにならない場所に設置すること。
- 身振り、手振り
- 身振りや手振りは、案内に合わせ、動作により行う。
- 相手に誤解を招く可能性がある動作には、十分に注意が必要。
- 横断幕
- 多くの群集に対して情報を伝える場合や注意喚起を行うために用いられる。
- 遠くからでも確認できるよう大きな物で、多くの場合、高い場所に設置される。
- 場内一斉放送
- 迷子、迷い人、落し物の広報等会場内の来場者に対して、知らせる場合に使用。
- 主催者に依頼をして放送してもらうのが一般的。
⑷ 広報の種類
- 広報の種類には、情報広報、規制広報、禁止広報がある。
- 原則として、 まず情報広報を行い、状況の変化に伴って規制広報を行うことによって群集の安全と全体の秩序を維持するようにし、禁止広報を行う必要がないように努める。
- 情報広報
- 群集に対して、イベント開始時間、入場方法、混雑状況などを提供する。
- 広報例:「ご来場の皆様にお知らせいたします。本日の開場時刻は〇〇:〇〇です。」
- 規制広報
- 雑踏事故発生の危険が予想される場合や、群集の一部が秩序に反する行動をとるおそれがある場合に、機先を制して、未然に雑踏事故を防止し、又は不正行為が発生しないようにするための広報。
- 広報例:「ご来場の皆様にお願いいたします。列に割り込まないようご協力お願いします。順次最後尾にお並びください。」
- 禁止広報
- 雑踏事故又は不法行為や会場管理規程等に反する行為が発生した場合に、速やかに警告又は制止を行い、その状況や行動を解消又は阻止するための広報。
- 広報例:「皆様にお知らせします。現在このエリアは立入禁止になっております。直ちに移動してください。」
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